【パラリンピック】国際パラリンピック委員会公認教材『I’mPOSSIBLE(アイムポッシブル)』日本版、小中学校4校の活用事例を公開。共生社会の実現に向けて、アニメーション教材の活用で広がる新たな学び
2024年04月30日 地域振興/社会貢献 育成,教育/スクール産業 Written by 管理者
国際パラリンピック委員会(IPC)公認教材『I’mPOSSIBLE』日本版の公式サイトで、最新のアニメーション教材を取り入れた授業の実践事例を公開した。今回公開した4校の『活用事例』では、アニメーション教材を使った授業の様子を「導入〜展開〜まとめ」の流れに沿って、写真や動画コンテンツを交えて紹介している。また、各校におけるICT活用法や工夫点など、本教材の利用を検討する先生の参考になる内容となっている。
アニメーション教材を活用した4校の事例を公開
教育現場のICT化の流れに合わせたデジタルコンテンツ対応を進める中で、『I’mPOSSIBLE』日本版初となるアニメーション教材が3月にリリースされた。小学生版「パラリンピアンが学校に来るとしたら(香西宏昭選手編)」を活用した3校、中学生・高校生版「パラリンピアンの日常生活からバリアフリーを考える(香西宏昭選手編)」を活用した1校が、共生社会の実現に向け「気付き、考え、行動を起こす力」を育む学びに取り組んだ授業の事例を公開する。
『I’mPOSSIBLE』日本版公式サイト:https://iam-possible.online
特徴
アニメーション教材のメリットを生かしたファシリテーターとしての先生の役割や、生徒たちのグループディスカッションの様子を見ることができる。「共生社会の実現に向けた気付きを促すために、先生がどのような声掛けをしているのか」「子どもたちは何を考え、どのような話し合いをし、それが、どう変化や行動につながっていったのか」といった授業のプロセスを通して、本教材を用いた授業計画を立てる際のヒントとなるエッセンスが詰まっている。
・理解を促す視覚的コンテンツ:具体的な学びのシーンをイメージできる構成で、実際の授業の様子を流れに沿って、写真や短い動画を交えて紹介。これにより、指導案に沿った授業のステップが把握しやすくなっている。
・ICT活用:ロイロノートなどの学習支援ソフトと組み合わせた学校ごとのICT活用法も掲載。
・活用のバリエーション:指導案に沿った1時間の単独授業だけでなく、総合学習の探究活動として複数時間で展開した活用事例も紹介。パラアスリートとの交流体験などと組み合わせることで、相乗効果が生み出されている様子にも注目。
各事例の概要
・探究学習として、複数時間の学びを展開(台東区立 谷中小学校)
5年生が車いすユーザーの来校に向けた準備を進め、身近な場所のバリアフリーを調べたり、障害のある人との関わり方を考えたりした。発見・疑問を基に主体的な学びが展開され、障害当事者との交流や対話を通し、豊かな学びが育まれていく様子が分かる。
・「見えないバリア」の原因を探す(木更津市立 木更津第二中学校)
アニメーション教材が授業を進行し、教師はファシリテーターの役割をしている。個人→グループ→クラス全体の流れで、協働的な学習が展開される。生徒同士の対話を促すことで、一人では気付かなかった新しい視点や発想が生まれ、考えが広まり、思考が深まっていく様子が分かる。
・ロイロノートの活用で、普段発言の少ない子が積極的に参加(目黒区立 中目黒小学校)
板書計画や、ICTの活用の様子が分かる。児童や教員のコメントは、ホームページに掲載されているプロモーション映像に紹介されている。
※上記3校は、活用事例ページの『SPECIAL CONTENTS』内で閲覧可能
・社会の時間に活用(青山学院初等部)
「ユニバーサルデザイン」を学ぶ社会の単元で活用。授業を受けた4年生は、多様な立場の人それぞれによって「感じ方」「捉え方」「使いやすさ」が異なることに気付く。独自の授業進行手順メモや、ワークシート、児童の感想なども紹介した事例。
※青山学院初等部の事例は、活用事例ページの『投稿いただいた活用事例』から閲覧可能。なお、『I’mPOSSIBLE』日本版事務局では、活用事例を随時募集中。
教材説明会や教員研修会の実施について
教育関係者を対象に無償で、教材の目的や使い方、展開例の説明会や、研修会を実施。要望に応じ、内容をカスタマイズすることも可能だ。詳細は「教員研修」にて。
パラリンピックと共生社会の推進
さまざまな障害のあるアスリートたちが活躍できるよう、発想の転換や創意工夫を凝らして、参加の可能性を広げているのがパラリンピックスポーツだ。この”創意工夫”こそが、「誰も取り残されることなく、さまざまな機会が“公平”に与えられる共生社会の実現」に役立つヒントや気付きにつながり、行動変容を促す。東京2020パラリンピック競技大会をきっかけに、さまざまなかたちでパラリンピックをより身近に感じる機会が増えた。「パラリンピアン、かっこいい!」「感動しました!」で終わらせず、多様性を認め合い自他共に尊重する豊かな心を育み、共生社会づくりに向けた次世代を育成するため、『I’mPOSSIBLE』を活用した教育活動を今後も推進するとしている。
『I’mPOSSIBLE』日本版について
『I’mPOSSIBLE』は、国際パラリンピック委員会(IPC)が開発した教育プログラムで約40カ国で活用されている。世界中の子どもたちがパラスポーツを題材に、パラリンピックの価値や、インクルーシブな世界作りに必要な理念を理解できるよう制作されている。
『I’mPOSSIBLE』日本版は、IPCが制作した国際版教材を基に、日本の教育現場での活用のしやすさを考慮し、パラリンピックを題材に共生社会への気付きを子どもたちに促す教材として開発された。誰も取り残さず、さまざまな違いのある人たちと一緒に楽しく活動するための考え方のヒントや、公平について考えさせる話題、人権感覚を育むきっかけなども含まれている。総合の学習(「多様な他者の意見を尊重しようとする態度」「自己の役割や責任を果たして生活しようとする態度」「よりよい人間関係を形成しようとする態度」を育むための活動)、体育(体育理論)、道徳(公正・公平)、家庭科(バリアフリー)などの授業の他、人権教育などでも活用されている。
※初版教材は日本パラリンピック委員会(JPC)と日本財団パラスポーツサポートセンターが、べネッセこども基金の協力のもと共同で開発。現在はJPCが開発・普及を担う。
教材の名前の由来
I'mPOSSIBLEは、「Impossibleー不可能」という単語に「’」(アポストロフィ)を加えた造語で、「I'm possible―私はできる」という意味がある。「'」を加えただけで言葉の意味が変化したように、ほんの少し考え方や工夫をすることで、それまで無理だと思っていたことも、異なる結果に導けるというメッセージがある。
記事元:PR Times
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