【Bリーグ】初の地区優勝を遂げた三遠ネオフェニックス、プロスポーツチーム特有の特殊業務の多い管理部門をデジタル化・効率化し正社員の削減に成功
2024年04月11日 チーム/リーグ経営 テクノロジー/デジタル Written by 管理者
三遠ネオフェニックス(Bリーグ加盟)を運営する株式会社フェニックスは、株式会社Wewillが展開する、中小・ベンチャー企業の生産性を高めるための管理部門のシェアリング・サービス「コラボ」を導入した。
導入後1年で、株式会社フェニックスで選手への支払業務や、社員の勤怠管理や給与計算、経理など、管理部門に関するほとんどの業務をデジタル化し、決裁者以外の管理部門専従の正社員の大幅な削減を実現した。
三遠ネオフェニックスはリーグ戦16連勝を記録するなど勢いに乗り、一気に地区優勝まで駆け上がった。2026年に開幕を控えるB.LEAGUE PREMIERへの参戦に向けて、さらなる組織力強化および収益性の向上が必要となる。管理業務を効率化し、プロスポーツチームとしてのコア業務に人員や資本など経営資源を集中させる必要がある。
一般的な企業であれば、管理部門を効率化するために「経理や人事、福利厚生などの事務作業を丸ごと外注する」、あるいは「正社員を減らし、非正規の従業員で代替する」といった手段がとられる。だが、プロスポーツチームの管理部門にはファンの満足度を高めるための施策、選手の給与や諸経費の計算など、一般企業にはない「特殊な業務」が数多く存在する。このような特殊業務を請け負う外注先や経験者が見つけることは困難だ。
そこで、管理部門の高度で特殊な業務も委託できる「コラボ」を活用することで、管理部門の業務フローを大幅に効率化することに成功。管理部門に携わる正社員の数も大幅に削減することができた。いわば「質」と「量」の両面から、管理部門の改善に成功したといえるだろう。
管理部門を効率化したことで組織と収益性の強化に集中できるよう、株式会社Wewillでは引き続き、管理部門のシェアリングによってサポートするとしている。
管理部門のシェアリングサービス「コラボ」とは
「コラボ」は、中小企業やベンチャー企業で、経理・人事・法務などの管理業務をまとめて、株式会社Wewillのエキスパートたちが担うシェアリング・サービス。同社に属する社員で、管理業務に精通したエキスパートたちを契約企業全社で利用する。
一般的な業務外注サービスは、いわゆる手順などが全て決められた雑務の請負にとどまる。「コラボ」は、外部から自社の管理部門の社員以上の仕事を担うことが可能で、社外に熟練の管理部門を抱えている感覚だという。同社杉浦代表自身も税理士であり、社員にも社労士、司法書士といった資格保有者を複数抱えていることから、単なる事務作業ではない専門的な見地からのサポートも可能だ。
単に複数の企業の管理部門の仕事を集約するだけでなく、「コラボ」の導入に際しては、同社のコンサルタントが伴奏しながら、徹底した管理業務の構造化とIT化を行う。集約化・構造化・IT化の3本柱で中小・ベンチャー企業の管理部門の生産性を飛躍的に高め、大企業以上の水準を実現する。
加えて「コラボ」は、従来は社員が行っていた管理部門の業務を担えるので、中小企業やベンチャー企業は管理部門の社員の急な退職、その補充のための人材採用に苦しむこともなくなる。
日本の生産性を高めるには管理部門の改革が不可欠
日本の生産性は2021年で経済協力開発機構に加盟する38カ国中27位。前年から1つ順位を落とし、1970年以降最低を記録するまでに落ち込んでいる。日本の生産性を高めるには企業数の99.7%を占める中小企業の生産性向上が不可欠だ。
管理業務に関しては、多くの中小・ベンチャー企業でベテラン社員が紙中心の「昔ながらの方法」を頑なに守る、あるいは採用難から経験の浅い社員に任せなくてはならないなどの課題を抱えている。
「中小・ベンチャー企業は管理部門の生産性を高めれば、大企業に負けない競争力を獲得できる」。株式会社Wewillの杉浦代表は税理士としての経験、税理士になる前の世界的なIT企業での勤務経験からそう確信し、「コラボ」を生み出すに至った。
三遠ネオフェニックスが「コラボ導入」に至った経緯
きっかけは長年、管理部門を担当していたベテラン社員の定年による退職だった。有効求人倍率が高止まりする中、後を担う人材も簡単には採用できずにいた。
チームを強くし、さらにファンサービスを充実させていくには、チームを裏側で支えている管理部門の強化も不可欠だ。そこで株式会社Wewillとフェニックスは以前からつながりがあったことから、フェニックスで管理部門シェアリングサービスの「コラボ」を導入することになった。
「コラボ」導入にあたって、最初に着手したのが管理部門の業務の見直しだ。社員の勤怠管理や給与計算、経理などは、全て紙を中心に処理されていた。同社のコンサルタントが現場に入って、業務の流れを全て見直し、ITツールを用いて省力化した。
さらにプロスポーツチームならではの会計処理がある。他の企業の管理部門にはない業務だけに、汎用のITツールをそのまま流用できない。海外選手もいるだけに、課税や支払いの処理方法も一律ではない。とはいえ、新規に独自のシステムを構築すると、費用がかかり過ぎてしまう。
そこで「コラボ」のコンサルタントが汎用的なITツールを、フェニックスに合わせて細かくカスタマイズすることで、スポーツチーム特有の管理業務もデジタル化した。
「管理部門の業務の枠組みをデジタル化したが、誰も社内で使いこなせる人材がいなくて、結局、元に戻ってしまった」という事例もあるが、「コラボ」ではITツールの運用も行う。「コラボ」を支えている管理部門のエキスパートたちが、オンラインで運用する。その運用範囲は「雑務」にとどまらず、一般的には社員が担うものも含まれる。
その結果、導入から1年を経て、フェニックス側では管理部門の業務をデジタル化し、正社員を大幅に削減することができた。「コラボ」を導入したことで、フェニックス側では「急な社員の退職」に備える必要も、管理部門の社員を採用する必要もなくなった。フェニックスの社員たちはファンに喜んでもらうための業務に注力できるようになった。
株式会社Wewill 概要
コーポレートサイト:https://wewill.jp/
コラボサービスサイト:https://collab.wewill.jp/
杉浦直樹代表の略歴
上智大学卒業後、日本オラクルに入社。営業マネージャーとして大手企業のIT化を支援する。その後ヘッドハンティングされ、イスラエルのIT企業に入社するも、事業方針の変更などで3カ月でリストラの憂き目に遭う。「リストラされない専門性を身に付けよう」と税理士資格取得を決意。地元・浜松に戻り、税理士事務所に入所し、働きながら税理士資格を取得。浜松で税理士法人を開業し、静岡有数の規模にまで育てる。税理士の仕事を通じて、中小企業の非効率性を目の当たりにする。「中小・スタートアップ企業の生産性の低さは技術力などのコア部分ではなく、管理部門の非効率さにある」と確信し、事務作業をIT化・構造化・集約化することで生産性向上を支援するWewillを起業。
記事元:PR Times
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