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【Jリーグ】ガイナーレ鳥取が実施する芝生生産プロジェクト「Shibafull(しばふる)」、スポーツ分野での環境取り組みの社会的価値を可視化する初の実証実験

2023年05月26日 Written by 管理者

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ソーシャルイノベーションの実現に向けて、創造的な対話の場をつくる株式会社フューチャーセッションズは、Jリーグ・ガイナーレ鳥取の運営をしている株式会社SC鳥取の協力の下、スポーツ分野における環境取り組みを含む社会貢献活動がもたらすポジティブな影響や社会価値を可視化する、日本で初めての実証実験を実施し、最終報告書にまとめた。

ガイナーレ鳥取が2017年10月31日から開始した芝生生産プロジェクト「Shibafull(しばふる)」の「社会的投資収益率(以下、SROI: Social Return on Investment)」は、社会的価値を貨幣価値に換算すると、1.31 倍になることが確認された。

フューチャーセッションズは、これまで多くのステークホルダーとともに新価値創造の共創事業に取り組んでおり、その一環として、スポーツの価値を活用した地域貢献活動を積極的に行うことができる社会の実現を目指して、「Sports Social Impact Lab(スポーツソーシャルインパクトラボ)」を主宰している。押見大地氏(東海大学体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科講師)、山口志郎氏(流通科学大学人間社会学部人間健康学科准教授)、福原崇之氏(北海道教育大学芸術・スポーツ文化学科准教授)らと共に、SROIの考え⽅を⽤いて、経済的価値だけでなく、活動によってもたらされた社会的価値(社会的インパクト)も定量的に評価し、社会貢献活動に関する費用対効果を算出するSROI算出モデルの構築に取り組んでいる。(これまでの取り組み事例 https://www.futuresessions.com/news/19086/

芝生生産プロジェクト「Shibafull(しばふる)」について
ガイナーレ鳥取がチュウブYAJINスタジアムの施設管理で培った芝生の生産ノウハウを基に、2017年10月31日に立ち上げた芝生生産事業。ホームタウンを舞台に、SC鳥取百年構想の一つ「地域社会の一員としてお役に立つ」という思いを事業化。「芝生で街を、人を笑顔で満たしたい」という思いから、Shibafu(しばふ)+full(満ちる)という造語をプロジェクト名としている。
https://www.gainare.co.jp/shibafull/

SROI算出のモデルケースについて
全国第2位の芝生生産の作付面積、出荷数量を誇る鳥取県で、クラブが持つ芝生生産ノウハウがあり、これまでの地域活動において芝生による地域貢献の可能性を感じ、芝生の生産が地域課題の解決につながることを実感し生まれたJリーグ・ガイナーレ鳥取の「Shibafull(しばふる)」をモデルケースに特定。必要最小限の施工・管理により低コストで芝生グラウンドを広げる手法である「鳥取方式」による芝生化により、人口減少や高齢化で拡大する耕作放棄地を芝生の生産に再利用することの社会的価値効果測定の実証実験を行った。

実証について
本件について、ステークホルダーを、1プロスポーツクラブ(ガイナーレ鳥取、GTベンチャーズ)、2民間企業(本田技研工業、地域メディアほか計8社)、3行政・協会(米子市、境港市、鳥取県トライアスロン協会)、4その他(保育園、幼稚園、特別支援学級、障がい者の就労施設、NPO)と特定し、そのうちの9団体にインタビュー調査を2022年2月22日、3月7日(計2日間)に実施された。

インタビューから抽出された活動成果には、園児の活動量増加や雑草処理作業の軽減、学生の憩いの場の創出、売り上げ増加など、多面的な成果を実感しているステークホルダーが多いことが確認された。

SROI値の算出
芝生生産プロジェクトにおけるSROIの算出は、インプット(芝の製造原価や人件費など)、アウトプット(ステークホルダーにもたらされたインパクトの合計)によって算出される。本事業に投資されたインプット対し、事業が生み出した社会的価値を貨幣価値に換算すると、1.31 倍になることが確認された。

実証実験の結果について
国外では、UEFAヨーロッパリーグ(サッカー)でスポーツにおけるSROIに関する先行的な取り組みがあるものの、まだ多くの事例は見受けられない。日本国内においては、スポーツ分野での環境取り組みの社会的価値の実証研究においては、本研究が初めての実証ケースとなる。地域貢献活動によって生まれた経済的価値のみならず、非金銭的価値を合わせた社会的価値を可視化することは、今後行う事業の社会効果を予想することも可能となり、活動を行う主体の意思決定の一助となるとしている。

本実証実験に対するコメント
押見大地氏
東海大学体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科講師

社会貢献活動(CSR)やコストセンターと見なされがちだったスポーツへの投資に対して、「いったい何がどれくらい良いのか」を金銭価値化するSROIへの関心は日に日に高まっています。本プロジェクトの特筆すべき点は、経済・社会・環境という事業の持続可能性に必要な3つの要素を定量化したことにあり、プロスポーツクラブがいかにして社会課題の解決に貢献できるのか、その可能性の一端を示すことが出来たと思っています。本成果を通じて今後さらに多くの事例が積み上げられ、「スポーツから派生する多様な価値の見える化」への機運の醸成に繋がることを期待しています。最後に、本プロジェクトの調査にご協力いただきました関係者各位に対し、プロジェクトメンバー一同心より御礼申し上げたいと思います。

高島祐亮氏
株式会社SC鳥取 経営企画本部長

2017年に「Shibafull(しばふる)」を立ち上げ、地域企業・行政の皆さまに協力を頂きながら耕作放棄地を利活用した芝生生産、また販売(芝生化)を進めてきました。今回の定量化するプロセスであらためて生産・芝生化に関わる皆さまとの対話を通じ本プロジェクトの意義を再確認し、こうして効果を可視化することができました。地域にこのクラブがあって良かったと思っていただくことはとても大切なことです。そのきっかけとしてスポーツだけでなくこうした活動、結果をもとにつながりをさらに広げていきたいと思います。最後になりますがSROIの測定、調査にご協力いただいた皆さまにあらためて御礼申し上げます。

田上悦史氏
本プロジェクトプロジェクトマネージャー

国内外ともにSDGsやESGに関する機運が高まる中、これに追随する形でスポーツ組織が「いかに自社への利益を確保しながら社会が求める課題解決にフィットした施策を生み出すのか」という問いを抱えながら日々模索し、そしてこの問いに応えようと当該領域で活躍するコンサルティング会社や研究者が研究を盛んに進めています。この取り組みがそんな皆さまの一助となり、さらに時代を進めていくドライバーとなることを期待しています。最後になりますが、前代未聞のこの冒険をともに、乗り越えてくれたプロジェクトメンバーの皆さまと、ご協力いただきました皆さまにあらためて御礼申し上げます。


記事元:PR Times


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