スポーツへの熱い思いが地元Jクラブへの就職へ(ヴァンフォーレ甲府・山地渚さん)~後編~
2016年09月14日 インタビュー その他 Written by AZrena
知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」に記事提供を頂いてお届けしている、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただく本シリーズ。
熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人が世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか?
今回は、明治安田生命J1リーグに属するプロサッカークラブ・ヴァンフォーレ甲府で職員を務める山地渚さんのインタビューの後編をお届けします。
前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/59
インターンを通じて、“たまたま”ヴァンフォーレに採用されたという山地さん。実際に今取り組んでいる業務とは、一体どのようなものなのでしょうか?
(出典:AZrena「スポーツへの熱い思いが地元Jクラブへの就職へ。-ヴァンフォーレ甲府・山地渚さん-」2016年5月15日)
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◆チケット販売以外に、営業も企画も
私の業務は、基本的には試合のチケットを売ることです。前売り券や招待券などチケットも種類はいろいろあるのですが、そういうものを準備したりします。例えば、“この試合は、クラブサポーター会員が何人いて、招待券を何枚出しているから残りのこれだけ枚数のチケットが売れる”というのを計算して、票券管理をしてもらっているローソンチケットさんに、「この試合はどの席種のチケットを何枚売ってください」というのをお願いしたりします。チケットに関しては販売報告が毎週来るのでそれを見つつ、天候・対戦相手・キックオフ時刻・過去の来場実績や曜日と照らしあわせて“この試合はこれくらい入る”という観客入場者数を予想し、関係各所に報告します。
お客様からお金をいただいて、席を提供するわけですから、責任も大きいです。チケット担当として一番悩ましいのは、試合当日チケット売り場の目の前でダフ行為(転売)をする人がいるので、それを注意しに行くことですね。悪意があって金銭のやり取りをしようとする人には、怖い顔をしてガツンと注意できるのですが、「招待券が余っていてもったいないから」と善意で譲ろうとする方もいるんです。お気持ちは非常に嬉しいし分かるのですが、チケット売り場では当日券の販売をしています。お金を払って見に来こようとしている方にそれを許してしまうと入場料収入が減ってしまいます。招待券が余った場合は、自分の知り合いを誘って事前にお渡ししていただきたいんです。そうすればスタジアムに来る人も増えることになりますからね!
チケット以外の業務ではスポンサー企業様へ営業に行ったり、個人だけでなく法人もある年間シート会員様のところへ更新のお願いに行ったり、新規加入のお願いもします。また、ヴァンフォーレは甲府市、韮崎市を中心とした27市町村をホームタウンとしています。各市町村に協力してもらって開催する“ホームタウンサンクスデー”があるときは、それに向けて自分の担当市町村と打ち合わせをして試合の準備を進めます。
集客の面でも、スタジアムを満員にするための施策を話し合って具現化するということもやっています。例えばチケットの割引をやるとか、スタジアム場外にミニステージを出してエンターテイナーを集めたショーをしたり、昨年は場内イベントで芸能人が中心のサッカーチーム・SWERVESさんを呼んでヴァンフォーレ甲府OBチームと前座マッチをしてもらったり、ですね。あとは、インターン希望の学生の受け入れや日程調整もやっています。
“事業部”という役職ではありますが、企画もするし販売もするし営業もするので、「なんでも屋」という感じでしょうか。社員みんなが同じように働いていますが、なんせ人数が少ないので、勤務時間が長いのは間違いありません。自分では忙しいとは思わないのですが…。それに、やっていて苦ではないですし、楽しいんです。仕事が本当に楽しすぎて、辞めたいと思ったことも、勤務時間が長いことに対して嫌だと思ったこともありません。
当日スタッフへの指導も
◆運を引きつける力は、人を惹きつける力
スポーツ界に向いている人材は、向上心があって、ポジティブな人。もっとクラブを良くしたいという思いを持っている方や、それに向けて具体的に動ける方が向いていると思います。『何の為に働くのですか?』と聞かれて「生活するためにお金が必要だから」と答えるのか、「人生を楽しむために」と答えるのか。どちらかと問われれば後者の感覚です。休みは少ないかもしれませんが、私にとっては少ない休みにやりたいことを詰め込むので、休みも非常に充実しています。逆に休みが多いと、“私は何をすればいいんだろう?”と思うこともあります。家でずっと寝ているのは好きではないので(笑)。
あとは本当にタイミングが重要です。私の場合、もし1年ずれていれば入れなかったと思いますし、実際に自分が今インターンの担当をやっていて感じるのは、結局そこから直接人を採るという流れがあまりないことです。ゆくゆく人材が必要になったときの選択肢の一つとして、“そういえばああいう子がいたよね”という形で採用候補として掘り起こすということはあるかもしれないのですが、私のようなタイミングで入社できた人は本当にいないんです。
なので、私は運が良かったのかなと。そして、そういう運を引きつける力は人を惹きつける力でもあるのかもしれません。自分で言うのも変ですけど(笑)。でも、そういう力がこの業界に入るためには必要だと思います。
【了】
記事提供:AZrena
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また、プロスポーツクラブのビジネス戦略はどういったものなのか…。
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