スポーツへの熱い思いが地元Jクラブへの就職へ(ヴァンフォーレ甲府・山地渚さん)~前編~
2016年09月07日 インタビュー その他 Written by AZrena
SJNでは今回より、知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」のご協力を得て、記事提供を頂くことになりました。
熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人は世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか? そのような情報が少ないのもまた確かです。
そこで「AZrena」では、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただくシリーズの特集をしています。
第1回は、明治安田生命J1リーグに属するプロサッカークラブ・ヴァンフォーレ甲府で職員を務める山地渚さんのインタビューをお届けします。
(出典:AZrena「スポーツへの熱い思いが地元Jクラブへの就職へ。-ヴァンフォーレ甲府・山地渚さん-」2016年5月15日)
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「仕事が本当に楽しすぎて、辞めたいと思ったことも、勤務時間が長いことに対して嫌だと思ったこともありません」
(山地渚 株式会社ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブ 事業部・チケット担当)
◆スポーツを仕事にした理由
もともと私は陸上をやっていて、中学時代にバスケ部を一度はさみ、進学した筑波大学では水泳部のマネージャーをやっていました。体育会部活に所属するとプライベートも限られるのですが、日本一を目指して真剣に頑張っている選手たちを支えたいという思いがあったのでマネージャーを頑張ることができました。その思いは今にも繋がっていますね。
スポーツ界に進みたかった理由は、それ以外に関わっている自分が想像できなかったからです。就職活動では、スポーツメーカーやスポーツクラブ、あとはマネジメント会社、マスコミ系を見ました。でもその中で、「何か違うんだよな」と思っていたんです。やっぱり自分は今まで部活でトップアスリートをサポートしてきたので、そういう仕事をしたいな、と。漠然とですがそう思っていました。
でも、ヴァンフォーレに入ることができたのは本当に“たまたま”です。実は就活が全然ダメで。私が就活をしていた頃は、大学3年生の10月からがスタートだったのですが、翌年の5月の時点で選考に残れている会社が1つになってしまったんです。そのときは「最後の1つがダメだったら大学に残ろうかな」とも思いました。
そんなときに、私が授業でお世話になっている先生がヴァンフォーレの会長と繋がりがあるということを聞きました。その先生の授業はスポーツ界のいろんな分野の方々に来てもらい、それぞれの経験を語っていただくというものだったのですが、ヴァンフォーレの会長が授業に来るということを聞いたときに、実は職員を1人探しているということを教えてくれたんです。スポーツ界を目指していて、かつ山梨県出身だったこともあり、教授が会長に私のことを伝えてくれました。
授業の後、教授にその会長との食事に連れて行ってもらい、スポーツ界で働きたいということを伝えたら、インターンシップに誘われました。会長に会ったのが6月末で、インターンへ行ったのは7月中旬。この時点で先に話した最後の一つの企業の選考がダメだと分かっていたので、ここでのインターンが最後の就活かなと思って行ったんです。
外国人のお客さんにチケット案内をする山地さん
◆採用にあたって聞かれたのは彼氏の有無!?
ヴァンフォーレのインターンでは参加期間内に1度、ホームゲームの運営に入ってもらっています。ホームゲームがクラブにとって最大のイベントであり、ホームでの勝利はもちろん、来場者に楽しんでもらうためにたくさんの方に関わっていただき試合を開催しているので、準備をする中で何をやるかというのを理解してもらいたいというのがその理由です。
私が働いたその週には年間シート会員様向けの発送作業や、選手が小児科病棟に出向いて行う慰問交流会の手伝い、トップチームの練習現場に行って選手にサインをもらうなど、いろいろとやらせてもらいました。そんな業務を経て、最後にホームゲームを迎えることになったんです。
実は、私は陸上競技をやるときの山梨中銀スタジアム(ヴァンフォーレ甲府のホームスタジアム)は知っている一方、サッカーのスタジアムとして使われているのは見たことがありませんでした。ヴァンフォーレの試合は一度も観たことがなかったんです。
ですから、それが自分にとっての初めてのヴァンフォーレの試合。そこでテントや看板などを設営して、会場が出来上がったときはすごく感動しました。さらに1万4千人を超える観衆が集まったガンバ大阪とのその試合に4-3で勝利を収めたんです。2点取られて、追いついて、取られて、逆転して、というものすごくしびれる試合でした! ちなみに、ハーフナー・マイク選手(元日本代表、現ADOデン・ハーグ所属)が在籍していたときです。
何もないゼロの状態からこれだけの人が集まって、試合にも劇的に勝って、観客が最高の笑顔で喜んでいるのを見て、すごく泣いてしまったのを覚えています。1週間しか手伝っていないのに(笑)。そんなこともあって、「インターンを終わってもここに絶対に残りたい」と思いました。
その後、9月にもう一度インターンに来て、そのときも変わらずアピールをしまくりました。ただ、実は会社としては男の人が欲しかったみたいなんです。そのインターンのときは他の大学のサッカー部の男の子も含めて5人いたのですが、“ここでは絶対に負けていられない”と強く思って、社員さんに仕事を与えられる前に自分から仕事を探す姿勢で必死に取り組みました。その結果、面接の機会を与えていただき、採用してもらったんです。
ちなみにですが、インターンが終わるちょっと前くらいに会長と話していて、『彼氏はいるの?』と聞かれたんですよ。当時はいなかったので「いません、そんなの全然!」と答えました(笑)。それは、すぐに結婚するかどうかという意味だったんです。男性もあるかとは思いますが、女性は特に結婚して仕事を辞める人もいる。“採用するとなったらその後も仕事を続けていけるかどうか”を確認したかったということです。人を採る側からすれば、長く仕事を続けてほしいんですよね。それはどこの会社も同じことだと思いますが、その質問から会長のユーモアに温かさを感じました。
後編へ続く⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/60
【了】
記事提供:AZrena
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また、プロスポーツクラブのビジネス戦略はどういったものなのか…。
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