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MARS CAMP創設者・仲島修平氏が語る「スポーツ業界を前に進めていくために」~中編~

2016年11月05日 インタビュー Written by サッカーキング

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 SJNでは、サッカー総合情報サイト「サッカーキング」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 今回はその第4弾。株式会社マーススポーツエージェントが2010年秋から始めた、スポーツをビジネスにするためのノウハウが詰まった実践型集中講座「MARS CAMP」の創設者、仲島修平氏のインタビュー記事をお届けしています。

前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/92

 大学時代、フットサルショップのオープニングスタッフとしてアルバイトで働く傍ら、それまでのスポーツ業界にはないインパクトのある事業を創り上げたいと考えた仲島氏は、スポーツに特化した人事、人材育成をやりたいと考えるようになったと言います。大学卒業後に入社したウィルグループで企業の外部人事部機能を担当し、キャリアコンサルタントのノウハウを学ぶこと1年半、ついにマーススポーツエージェントの立ち上げとなりました。


(出典:サッカーキング「MARS CAMP創設者・仲島修平氏が語る「スポーツ業界を前に進めていくために」/中編」2016年11月2日)

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 スポーツ業界で働きたい――。

 そう思い描く人は少なくない。何となく華やかで、何となく注目を集め、そして憧れの選手に出会えるかもしれないと、学生をはじめ、社会人にも人気の業界であることは間違いないだろう。

 ではどうやったら入れるのか? そのヒントや答えを提示するのが、「MARS CAMP」である。現在第12期生までが卒業し、約480人の受講者がスポーツ業界へと足を踏み入れた。

 この既存にはない画期的にして、業界が求めていた「スポーツに特化した人材育成」という業態を築き上げた人物こそが、仲島修平氏である。

 華やかさや注目、憧れは、あくまでも自己の欲求にすぎない。「自分とスポーツの2者間で満足してしまう人は、業界では活躍できない」と仲島氏は言う。考えるべきは、「自分」と「スポーツ」と、その先にある「社会」とのつながりである。

 今回、“MARS CAMPの誕生秘話”を中心に、仲島氏に話を伺った。そこには、スポーツ業界の理想と現在地、そして、スポーツ業界で働くことの真意がある。

 スポーツ業界で働くことを目指す人、すでに業界で働いている人も必見のインタビューの中編は、MARS CAMPの実情と、仲島氏が見据えるスポーツ業界の未来を探る。


■優秀な人材を「育てる」仕組みづくり

――2008年に株式会社マーススポーツエージェントの立ち上げに参画された経緯はどのようなものだったのでしょうか?

「入社時に、この会社にスポーツの事業を立ち上げると言って入ってきているので、それを形にしたいわゆる従業員の提案型です。ウィルグループとしても、ライフスタイルに沿った事業の展開を図ることを目指していましたし、人と企業に向けたサービスの強みをベースに、スポーツによって、そこのコミュニケーションをより円滑にできるのではないかということでした」

――最初は、アスリートのマネジメント、キャリアサポートにも取り組んでいました。

「正直、すごく難しいと思いました。語弊を恐れずに言えば、例えば、選手を一人がベタ付きで担当して、収益を2倍に上げることは意外と難しくはないんです。でも組織として、会社の存続と事業拡大ということと、業界を見渡した時に、それだけをやっていてはいけないと感じました。それで、チームや団体の権利を使用したい企業が多いため、広告代理店のような業態もやりました。

 そうしたことを1年やってみて、弊社のみならず、業界全体に慢性的に人手が足りていないと痛感したんです。そこでキャリアサポートをするためのエージェントサービスを始めたんです」

――優秀な人材を採用できる仕組みをサポートするということですね。

「これはやる前から分かっていたことなのですが、スポーツを仕事にしたいという人のうち、割合的には根強い志望はチーム団体です。『スポーツ業界で働きたい』というと、まずはチームが出てきて、次にメーカー、メディア、最近ではイベントと続きますが、そこに施設は入ってきません。例えば、新卒を採用するメーカーはあまり多くはありませんが、そうしたところに行けなかったら諦めるというように、スポーツ産業はたくさんあるにもかかわらず、知らないんです。まずはそこを顕在化する必要がありました。

 一方で、雇用側からは『良い人材がほしい』というオーダーがきます。でも良い人材は、良い金額を支払わないと雇えません。これは当然起きる現象で、それによって採用できないケースがあります。そこで結局、人材のスペックを諦めるか、採用自体を諦めるかの二択になってしまっていたので、うちが『人材を育てる』ということを始めました」


■業界で活躍する人を増やさないといけない

――MARS CAMPを通じて、どのように人材を育成していく道筋を描いていたのでしょうか?

「まずはシンプルに数です。開催頻度、本数ですね。現在でも週一くらいのペースでやっているので、それだけでも資産だといえます」

――当初は100人から始まり現在は150名から200名の募集で、定員はずっと満員ということなのですが、かなり告知をしてきたのですか?

「実は、広告宣伝費はゼロです(笑)。そこに費やすと受講者の負担が上がってしまうので。僕らの目的はスポーツ業界を盛り上げることであり、そこで例えば10人の受講生を募ったとしても、正直インパクトは薄いだろうと思っていました。ですからより多くの人に、定常的に受講してもらうことが前提条件でした。そうすると安くする必要があるので、通いやすい値段設定にしました」

――告知ゼロで最初から100人というのは、ある意味で受講者はすごい嗅覚ですよね。

「そうなんです。すごく馬力がありました。ただ現在は、自分で意思決定をした1期生から、実績を見たり、他人に背中を押されてきた13期生という感じに変化しています。今は背中を押すか押さないかのさじ加減を意識しています。

 僕たちは、業界に入る人が増えるのではなく、業界で活躍する人を増やさないといけないので、厳しくやっていきたいですし、コミュニティーの質感を高めていくことは、参加者自身でやっていってほしいと思っています。そうした際に、卒業生が活躍してくれます。MARS CAMPの講義は、学びを提供することを前提に、卒業生で講師陣を埋める予定なんです」

――素晴らしい循環構造なんですね。

「最初から僕たちだけではできないというか、やらないという決めがあったので、この循環を思い描いていました。業界の方々と一緒にコミュニティーの質を高めていくことがベストだったので、その時に、かつてそこに“いた人”が“いる人”に伝えるのはすごく大事なことです。OB選手が現役選手に言うことで説得力が増すという仕組みです」

――仲島さんの立ち位置や役割はどういった部分ですか?

「僕は、立ち位置としては“校長兼ナビゲーター”みたいなイメージです(笑)。サービス全体を設計し、ゲストをアサインし、講義内容を編成し、OBの人たちを巻き込む(笑)。毎回、ナビゲーターも務めているので、僕は唯一、第1期から全講義に参加していますよ」

――MARS CAMPにはどのような人たちが来ているのでしょうか?

「社会人が45%で、学生は55%です。そのうちの80%は就職や転職を目的にされています。残りはスポーツを100倍楽しく観るために来る人もいれば、社内で事業としてスポーツを前に進めていきたいといった方と、メディアの方など業界の中にいる人もいます。仕事のキャパや人脈を広げていくことを目指しているようです」

――実際にスポーツ業界に入れる人はどれくらいですか?

「僕らが把握しているのは、12期が終わった現在では約480人ほどです。これは全体の40%です。結果的にスポーツではないと判断する人や、一度、別の業態を経験してからという学生もいます。

 もちろん、この数字は上げていきたいですが、上げることは目的ではありません。スポーツ業界を前に進めていくことが本来の目的なので、多いに越したことはないですが、影響力が高い状態こそが好ましいという感覚です」

――仲島さん自身は、どういったところにやりがいを感じますか?

「例えば学生の場合、目がキランと光る瞬間と、そこからの動きがグッと上がる瞬間が分かるんです。その熱が伝染して上がっていく仲間もいるので、コミュニティーの熱量は分かりやすいですし、そういう時にやりがいを感じます。

 それと例えば、Jリーグなどで対戦チーム同士の広報や営業、それを配信するメディアの現場担当、局側で働いている人など、試合運営のステークホルダーに、卒業生が全員そろっているなんてこともあるので、やって良かったとすごく思います」

――目指してきたことが定着していっているんですね。

「そんなにきれいなものではないですけど、分かりやすい結果ですよね。講義に卒業生が来てくれることも嬉しいですし、卒業生が今のMARS CAMPの環境をつくっていってくれているという感じです。これは、本当にうらやましくもあります。

 成功だけではなく、あらゆる失敗も含めて、様々な情報や経験を伝えていく場でもあるので、学生のうちからどんどん先へと進んでいけるんです。早ければ早い方が絶対にいいので、僕が学生のころにも受講したかったなって、ちょっと嫉妬しています(笑)」


(後編へ続く⇒)

【了】

本田好伸●文 text by Yoshinobu Honda
野口岳彦●写真 photo by Takehiko Noguchi

記事提供:サッカーキング


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株式会社マーススポーツエージェント
スポーツビジネス部マネージャー
仲島修平(なかじま・しゅうへい)

1984年5月5日生まれ。専修大学在籍中に、フットサルショップのオープニングスタッフとしてアルバイトで働き、大学卒業後、株式会社ウィルグループに入社。企業の外部人事部機能を担当し、キャリアコンサルタントのノウハウを学ぶ。2008年にマーススポーツエージェントの立ち上げに参画し、アスリートのマネジメント・セカンドキャリア支援、プロチームの人事・事業支援、企業への代理店業などに従事し、2010年秋に実践型集中講座「MARS CAMP」の企画・運営を開始。スポーツに特化した人材発掘、育成、活躍を見据えたサポートを中心に、スポーツと社会を結び付けるあらゆる業態を横断的に手掛けている。
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