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“普通”の大学生が、世界最大のスポーツマーケティング会社に入れた理由(レピュコムジャパン<現・ニールセンスポーツ> 荒木哲朗さん)~後編~

2016年10月12日 インタビュー Written by AZrena

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 知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」に記事提供を頂いてお届けしている、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただく本シリーズ。

 熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人が世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか?

 今回は、世界最大級のスポーツマーケティング会社であるレピュコム(現・ニールセンスポーツ)に務める荒木哲郎さんのインタビューの後編をお届けします。

前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/63

 世の中のありふれた大学生と同じ生活をしていた荒木さん。大学3年生時にスポーツビジネス業界の人たちが集まるコミュニティーへと足を運んだことをきっかけに、インターンや海外留学を経験することを決意しました。オーストラリアへと飛んだ荒木さんは、そこで一体何を得てきたのでしょうか? そして、どうやって今の仕事へとつながったのでしょうか?

(出典:AZrena「“普通”の大学生が、世界最大のスポーツマーケティング会社に入れた理由-レピュコムジャパン・荒木哲朗さん-」2016年6月23日)

 

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◆ 2015年アジアカップの日本語版Twitterを運営

 オーストラリアにいる際、アジアサッカー連盟(AFC)がインターンを募集していたのを発見したんです。そこにダメ元で応募をしたのですが、次の日に国際電話がかかってきて、電話面接をした後、採用されたんです。業務はその年に出来たAFCの日本語版Twitterアカウントを中心に、SNSを使ってAFCの活動を日本向けにプロモーションを行うというものでした。主にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)、アジアカップの全試合を、スクリーンキャプチャを使いながらTwitterで実況中継するもので、それは新しい試みということもあり、日本のファンの間でも話題になったと思います。あのツイートをやっていたのが、自分です(笑)。他にも数名インターンがいたのですが、日本人は唯一でした。

 アジアカップでのTwitterはかなり拡散されましたね。いろいろなメディアにも取り上げられました。その中で最もネット上で話題になったのはVineで日本代表の試合を解説している際の松木安太郎さんのリアクションを撮ったものだと思うのですが、この驚くシーンを撮ったのはSNS運用チームのリーダーです。

 松木さんは試合中から日本代表がシュートを打つと「ワー!」という感じで立ち上がっていてすごくテンションが高かったので、話題にはなっていたんです(笑)。それをこっそり撮ったら、Vineでものすごく再生回数が伸びました。これはSNSをうまく使えたなと思います。今もそのアカウントは運営されているのですが、後輩に引き継いでいます。

 日本に帰国した後はすぐに現在の職場であるレピュコムジャパンで働くことになりました。弊社の社長である秦(英之)さんの名前は昔からよく耳にしており一方的に知っていたのですが、とあるイベントでお会いした際に、直接話し掛けたんです。話している中で、『うちにインターンに来ないか』と誘っていただきました。オーストラリアでのワーキングホリデーから帰ってきた2014年の11月から、翌2015年の2月末までインターンとして働いた後、3月から正社員として働くことになりました。最初は誘ってもらったものの、もともと会社がリサーチ系ということもあって、自分としては強く“やりたい!”という業種ではなかったのですが、ちょうどインターンが終わるタイミングで、会社が新しい部門をつくることを聞きました。それと自分のやりたいことがマッチしたので、入社に至った、という形ですね。

アジアカップにおけるメディアチームと

 

◆スポンサーの“意味”と“価値”を明確にする仕事

 今、メインで行っている仕事はオリンピックスポンサーのコンサルティングです。オリンピックのスポンサーとなる企業は多いのですが、“なってから何をしていいか分からない”という悩みを持っています。スポンサーになったからには2020年までの4年間でさまざまな戦略をつくって、「オリンピックを通して企業の価値を高めるためにこういうことをやっていきましょう」と提案します。その中で行うさまざまな活動をリサーチしてまとめて、何が良くて何が悪かったかというのを打ち出し、ブラッシュアップした結果、4年後に「最終的にスポンサーシップの活動を通じてこれくらいリターンが得られました」というのを報告する、長期的なプロジェクトにもなります。

 スポンサーになることに対して「東京(日本)でやるから」「日本を代表する企業だから」「競合にとられるわけにはいかない」というような曖昧な名目で“なったら終わり”では、投じるお金がもったいないですよね。

 ただの寄付ではなく、スポーツに対してのスポンサーとなることで、「これだけ投じたらこういうリターンが企業にはある」というのを証明し、その価値を最大化しなければいけない時代になっています。

 仕事は大変です。これまで、スポンサーということに対してのメリットを考えるという習慣が日本のスポーツ文化の中で無かったこともあり、明確に答えが無いものを自分たちで考えなければいけないんです。かなり頭を使いますね。

オフィスにはアスリートのサインが書かれたユニフォームが掲げられている

 

◆“やってみる”ことで道は開ける

 この業界で働くには、強い覚悟と思いが必要です。それが無ければ、入れない世界でもあると思います。そして、スポーツ界うんぬんではなく、働いていくためには自分で考えて、自分で答えを出せる人材でないといけないなと感じます。特にこの世界はまだ答えが無いところもありますから。そこの思考力は問われますね。自分は決して良い大学に行ったわけではないですけど、思いは強かった。また、そういった思考力が身に付いたのも、過去のスポーツを通じた失敗からなのです。

 スポーツ系の学部にいたにもかかわらず、周りがみんな、普通の就職をしているのが寂しかったのも一つ、ありました。『この世界で働くのは無理だな』と思って諦める人が多かったんです。だけど、実際に自分はこの世界に入れた。やらなきゃ分からないし、動いてみたから分かったものがあります。だからこそ、リミットを外して動くことが重要ですし、そうすれば道は開けるんじゃないかなと思います。まずは、自分自身で自問自答し続け、自分の中の大切なものを理解する、そしてブレない軸を作ることだと思います。

【了】

記事提供:AZrena

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http://azrena.com/
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