巡り合わせが実現させた大好きな“アルビ”での仕事(新潟アルビレックスBC 佐野裕文さん)~前編~
2016年09月21日 インタビュー その他 Written by AZrena
知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」に記事提供を頂いてお届けしている、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただくシリーズの第2弾。
熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人が世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか?
今回は、プロ野球独立リーグのベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)に所属する新潟アルビレックス・ベースボール・クラブで広報を務める佐野裕文さんのインタビューをお届けします。愛する地元、愛する“アルビ”での仕事を実現させた佐野さんは、この世界で働けるようになったのは“巡り合わせ”だと語ります。
(出典:AZrena「巡り合わせが実現させた大好きな“アルビ”での仕事。-新潟アルビレックスBC 佐野裕文さん」2016年7月28日)
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「実はいざ就職先を探すとなっても、仕事に対するイメージがなかなか湧いていませんでした。その状況で唯一、自分の中で仕事のイメージがついたのが、ずっと勉強してきたスポーツビジネスの世界でした」
(佐野裕文 新潟アルビレックス ベースボールクラブ広報)
◆“アルビ以前”と“アルビ以後”
私は新潟県長岡市出身なので、地元のスポーツチームで働いているということになります。スポーツ自体は昔から好きで、小学校でサッカーを、中学校は野球、そして高校時代はバスケットボールをやっていました。一通り、メジャースポーツは体験したことになります(笑)。最も好きだった競技は、親の影響もあり、野球です。ただ、小学校が田舎の方で、野球部がなかったんです。それもあってサッカーをやるしかないなと思い、小学校4年生時に始まったクラブ活動でサッカーを始めました。
新潟のスポーツというと、“アルビ以前”と“アルビ以後”という形で分けられると思います。私が小学生の頃(1990年代後半)は読売ジャイアンツの人気がすごく、2000年にはON(王貞治氏・長嶋茂雄氏)対決もあってすごく盛り上がっていました。これは新潟に限らず、地方全般に共通する部分として挙げられるのが“巨人ファンが多い”ということです。父親も巨人ファンで、その世代の“プロスポーツ”といえば野球しかなかったですからね。
そして、新潟は全国的にもスポーツがめちゃくちゃ弱かったんです(笑)。2009年に甲子園で日本文理高校が準優勝したことでスポットライトを浴びたのですが、それ以前は本当に弱くて、高校野球だけでなく高校サッカーにしても初戦に勝てるかどうかという感じでした。雪国なので、ウィンタースポーツとバスケは伝統的に強かったのですが。
高校サッカーでいうと新潟明訓高校や帝京長岡高校が全国でも勝負できるくらいに強くなってきて、アルビレックス新潟のU-18がプレミアリーグ(※)に昇格もしましたし、相乗効果として高校サッカーも活性化してきました。そう考えると、新潟のスポーツはアルビが出来てから変わったと思います。
(※サッカーにおける高校年代の大会の一つ。高円宮杯U-18サッカーリーグにおけるトップリーグがプレミアリーグ)
◆偶然見つけたスポーツクラブの求人も、必然だった
私は早稲田大学スポーツ科学部出身です。高校3年生のときにスポーツを勉強できる学部があるということを知って、単純に「面白そうだな」と思い、目指すようになりました。アルビのことは好きで応援していましたし、何よりも好きなことを勉強できるのは最高だなと思ったんです。それで部活を引退してから勉強を真剣に取り組んで、運良く受かることができました。
実際に入学してからはさまざまなことを学びました。スポーツ科学部は文化系から医科系までいろいろとあるのですが、僕はスポーツビジネスを専攻していました。また、ゼミの先生が歴史を専門とする方だったこともあり、スポーツの歴史や文化的な側面も勉強していました。4年間、大学でそういった勉強をしたわけですが、まだ足りないという思いがあったので、そのまま大学院にも進みました。
大学院では新潟のスポーツの歴史を学んでいたのですが、それは自分の中で地域や地方でどういうふうにスポーツが盛んになっていくのか、ということに興味があったからです。ただ、経済的な面も含めた諸事情により、大学院は中退して実家に戻ることになりました。そこで就職先を探していた中、運良く見つかったのが新潟アルビレックスBCの求人でした。
でも、これを見つけたのは単なる偶然ではありません。実はいざ就職先を探すとなっても、仕事に対するイメージがなかなか湧いていませんでした。その状況で唯一、自分の中で仕事のイメージがついたのが、ずっと勉強してきたスポーツビジネスの世界でした。そして、アルビにはサッカー、野球、バスケと複数の競技がある。そういうこともあり、定期的にチェックをしていたからこそアルビBCの求人情報を見つけることができたんです。
そして運良く内定を頂くことができました。その求人は、本来は中途採用を前提としたものだったのですが、職歴もなかった私を採ってくださったことに、運や縁、そして巡り合わせをすごく感じています。
実は、私は大学時代に所属していた早稲田のSOJ(※)というサークル活動の一環で、今の社長(池田拓史代表取締役社長)にインタビューをしたことがあったんです(インタビュー当時はBCリーグ運営会社・(株)ジャパン・ベースボール・マーケティング在籍)。そして、ここで再会できた。そう考えると、巡り合わせというものを強く感じます。
(※SOJ:早稲田大学のサークルの一つ、Sports Of Japanの略称。学園祭でゲストを呼び講演会をしたり、フリーペーパーを作ったりと活動の幅は多岐にわたる)
後編へ続く⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/62
【了】
記事提供:AZrena
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