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3000万人のファンを持つチーバス・グアダラハラ 全ホームゲームを独自メディア「チーバスTV」で配信

2016年07月16日 コラム Written by 川内 イオ

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 メキシコのサッカー1部リーグ・リーガMXで最多の優勝回数を誇る名門クラブ、チーバス・グアダラハラの新たな取り組みが話題を呼んでいる。

 クラブのマスコットがヤギなので、現地ではスペイン語でヤギの複数形を表すチーバス(chivas)という愛称で呼ばれるグアダラハラは、1908年にクラブ創立以来、外国人選手と契約したことがなく、メキシコ人だけで構成されている唯一のクラブで、国内随一の人気クラブとして知られる。

 少し古いデータだが、メキシコのメディアグループ、グルポ・レフォルマが2007年に行った調査では、メキシコの人口の28%がグアダラハラのファンで、2015年の人口で計算すると約3500万人に達する。これも古いデータだが、ブラジル誌『Mundo Estranho』の2008年の調査でも同クラブのファンは3080万人と算出しているから、3000万人前後のファンがいると見積もることができるだろう。

 この圧倒的な人気を背景にスタートしたのが、「チーバスTV(Chivas TV)」だ。
 6月29日、グアダラハラはテレビ放映権の契約を更新せずに、今後、ホームゲームの映像を有料のインターネットサイト「チーバスTV」とリーガMXのモバイルアプリに提供すると発表した。これは今後、国内一の人気チームのホームゲームがテレビ観戦できなくなることを意味しており、テレビ放映権料を大きな収入源とする従来のサッカークラブの経営モデルからの大転換といえる。

 3000万人のファンを抱えているからこそできる大変革だが、この変革が成功するかは微妙なところだ。懸念されているのは料金。チーバスTVの年間契約料は148ドル(7月14日までに加入すると108ドル)。メキシコリーグはJリーグと同じく2ステージ制で、8月から始まる前半戦の視聴契約は、同じく7月14日までに契約すれば54ドルになる。
 1試合ずつの有料視聴も可能で、試合の重要度によって6.7ドル、10.8ドル、17.5ドル、27ドルまで4段階に設定されている。
 さらに、試合終了から2時間後に視聴可能になる月々2.7ドルのパッケージもある。
 この料金体系に対して、メキシコのメディアの中には「(動画配信の)ネットフリックスより高い」とネガティブに報じているところもあり、今後、どれだけのファンがチーバス TVに加入するのかは未知数だ。

 しかし、テレビを介さずにファンを囲い込むことができるメリットは大きい。恐らく、クラブ側は独自のCM枠を設定し、企業から直接的に広告料を取るなどの収益化を計画しているだろう。チーバスTVの今後に注目していきたい。

【了】


川内イオ●文 text by Io Kawauchi

1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。


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