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選手の発掘力に定評があるセビージャFCが、IBMと提携してAIを用いたスカウトツールを導入

2024年02月04日 コラム Written by 川内 イオ

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スペインのラ・リーガ(サッカー)に所属するセビージャFCが、IBMと協力して、選手のスカウトに生成人工知能 (Gen AI) を採用した。

現地報道によると、2022-23シーズンのUEFAヨーロッパリーグ優勝チームは、IBMとの提携により、決められた行為の自動化を担う従来のAI技術と、新しいコンテンツを生成することを目的とするGen AI技術の両方を利用するインテリジェントなスカウティングツール「Scout Advisor」を完成させたようだ。

セビージャは、「モンチ」の愛称で知られる前スポーツディレクター、ラモン・ロドリゲス・ベルデホの指揮により、独自のスカウト網を構築して強豪クラブへの階段を上った。高額のスター選手ではなく、地味な中堅選手や無名の若手の獲得に定評があり、その成果は、7度のUEFAヨーロッパリーグ優勝に表れている。

この独自のスカウティング力を生かしながら、より費用対効果の高い意思決定を行うために開発されたのが、人間によるスカウティングとデータ主導の洞察を組み合わせた「Scout Advisor」だ。

「Scout Advisor」には、身長、体重、スピード、得点、プレー時間などの定量的なデータと、クラブのスカウトからの20万件を超えるスカウティングレポートの両方が登録されている。Gen AIがこの膨大なデータを分析することで、クラブが指定した条件に基づく獲得候補者のリストを作成する。

「Scout Advisor」がスカウトの眼力を後押しする可能性もあるが、同時にスカウトの目から漏れている選手をピックアップすることも予想される。セビージャが得意とする埋もれた選手の発掘が加速すれば、世界中のクラブが「Scout Advisor」の導入に動くだろう。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl


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