MLBの試合がついに「顔パス」に!? ハンズフリーで球場に入場できる顔認証技術をテスト中
2023年09月29日 コラム テクノロジー/デジタル Written by 川内 イオ
![](https://d2a0v1x7qvxl6c.cloudfront.net/files/sbo.cs-park.jp/report/471/2380679106513dd1cea8ab.jpg)
メジャーリーグベースボール(MLB)は、チケットを持っているファンがハンズフリーで球場に入場できる顔認証技術をテストしている。
この「Go Ahead Entry」システムは、AIを搭載したカメラを使ってチケット所有者を確認するもので、ファンは紙のチケットやスマートフォンのバーコードを物理的にスキャンする必要がない。
18歳以上のファンは、専用のモバイル・アプリケーションを使って写真を撮ることで、このシステムに登録できる。撮影された写真は、他のいかなる種類のセキュリティーや監視システムからも隔離された状態で保存される。
数万人の観客を収容するスタジアムでシーズン81試合のホームゲームを行うMLBは、ファンにとってスピーディーでストレスのないスタジアム体験を提供するために2年以上、このテクノロジーの開発に取り組んできた。ファンが入場のために長蛇の列に並ぶストレスをなくすことで、スタジアム観戦のリピーターになってもらおうという狙いがある。
ユーザーにとって便利なこのシステムが支持されれば、必然的にチケットのデータ化も進み、シーズン中に何百万枚ものチケットを管理する作業を効率化するという球団側のメリットも大きい。
MLBは今シーズン、フィラデルフィア・フィリーズの球場でこの技術のパイロット・プログラムを実施している。AP通信によると、MLBはこれまでのところこのシステムの性能に満足しており、このまま成功が続けば、より広範囲に展開する可能性もあるそうだ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl
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