全仏オープンであらゆる種類のハラスメントから選手を保護するAIツールを提供
2023年06月01日 コラム テクノロジー/デジタル Written by 川内 イオ
![](https://d2a0v1x7qvxl6c.cloudfront.net/files/sbo.cs-park.jp/report/461/26046211364784ee7376fb.jpg)
フランステニス連盟(FFT)は、オンラインハラスメントやヘイトスピーチ対策ツールを開発し、5月28日に開幕した全仏オープン(ローラン・ギャロス)に出場する全選手に提供している。
FFTは、Bodyguard.aiのAI技術を使用し、Facebook、Instagram、Twitter、YouTube、TikTok、Discordを監視。全仏オープンの期間中、選手のソーシャルメディアコンテンツを保護するだけでなく、FFTとローラン・ギャロスの公式ソーシャルメディアアカウントも保護される。
出場選手は、ソーシャルメディアアカウントを使用する際、Bodyguardが提供するQRコードをスキャンすることで、あらゆる種類のハラスメント(差別、侮辱、嘲笑、脅迫など)から守られる。プライバシーを重視し、選手のプライベートメッセージは監視されない。
Bodyguard.aiのプラットフォームは、FFTに毎日レポート(受信メッセージ数、削除メッセージ数など)を提供し、攻撃が確認された場合にはリアルタイムで警告を発する。FFTの要請に応じて、法的措置の際にメッセージの抜粋と犯人の身元を提供することも可能。コメントは200ミリ秒以内に分析されるという。
FFTは2018年にフランス人選手向けのサポートユニットを設立したが、今回、ソーシャルメディア上の問題に対処するため、さらなる措置を講じることを決めた。
オンラインハラスメントやヘイトスピーチは、世界的な課題になっている。オーストラリアのプロサッカーリーグ「Aリーグ」では2022年、GoBubbleのAI技術が導入され、全ての選手のソーシャルメディアアカウントを監視し、攻撃的なコンテンツに対するフィルターとして機能するようになっている。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl
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