デジタル化を進めるACミランの集大成!「ミランメディアハウス」を立ち上げ
2021年02月25日 コラム テクノロジー/デジタル Written by 川内 イオ
イタリア・セリエAの名門、ACミランがメディア事業に本腰を入れている。ACミランが発信するすべての視聴覚コンテンツの制作・配信を担当する社内メディア事業の一環で、クラブ本部の1階に最新鋭の機材を備えたスタジオ「ミランメディアハウス」を立ち上げた。
1000平米を超える広さのスタジオには、クラブハウスの記者会見室に接続された3つのセットがあり、4Kカメラや液晶ディスプレイ、LEDディスプレイなどを常備。ゲームの解説やポッドキャストの録音のためのナレーションルームもある。ACミランのマーケティング、デジタル部門のディレクターであるLamberto Siegaが運営するこのスタジオで働くスタッフは、40人にのぼる。
2018年にACミランの所有権を取得したアメリカのヘッジファンド、エリオット・マネジメントは、この2年、クラブのデジタル化を進めており、「ミランメディアハウス」はその集大成と報じられている。
「コンテンツ消費に革命を起こす」ことを目的としたスタジオでは、テレビ番組用の撮影からTwitchやTikTokなどのSNSまで、ACミランがファンとのエンゲージメントを高めるために使用するさまざまなプラットフォームに適した独自コンテンツを制作できる。
パートナーとのデジタル資産の価値の最大化を目標に据えており、ACミランのスポンサーやパートナー企業もこのスタジオを利用可能。
同じくミラノに拠点を置くライバル、インテル・ミラノは、2017年に「インテルメディアハウス」を設けており、スペインのFCバルセロナも2019年に同様のスタジオを造っている。
今後、人気クラブのデジタルコンテンツは、内製化する方向に進むのかもしれない。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『1キロ100万円の塩をつくる: 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人』(ポプラ新書)が発売中。https://amzn.to/2ZaM9Mz
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