ジャック・ソックに一票を!? テニス用具メーカーが仕掛けた「偽の大統領選キャンペーン」が話題に!
2016年04月09日 コラム マーケティング/プロモーション/ブランディング Written by 川内 イオ
11月に行われる大統領選に向けて、選挙活動が活発化しているアメリカ。この盛り上がりに便乗しようと、フランスのテニス用具メーカー「バボラ」が、3月からユニークな広告キャンペーンを仕掛けて話題になっている。「偽の大統領選キャンペーン」を展開しているのだ。
バボラが偽の大統領候補として起用したのは、世界ランキング24位のアメリカ人プロテニスプレーヤー、ジャック・ソック。現在23歳のジャック・ソックは、高校卒業後の2011年にプロ入りし、これまでにATPツアーシングルスで優勝1回、ダブルスで6勝を挙げているアメリカ期待の若手である。
バボラはジャック・ソックを大統領候補に見立てて、「jacksockforpresident.com」というサイトを開設。いかにも大統領選で使われそうな赤・青・白のアメリカンカラーで作られたサイトを訪問すると、「私たちの次の大統領に会おう」と記載されている。さらにその上の再生ボタンを押すと、本当の大統領選で候補者が制作するような本格的なジャック・ソックを紹介する動画が流れ始める。
https://www.youtube.com/watch?v=A3yrasGqMAw&feature=youtu.be
サイトには「彼は、あなたにとって必要な男だ。あなたはそれを知らない」という選挙で使われそうなメッセージとともに、選挙戦で配られるような、ジャック・ソックの写真と「アメリカとラリーしよう」というキャッチコピーが記されたステッカーやポスターが無料で手に入る応募欄も用意されている。
よくできたサイトで、何も知らずにこのサイトを訪れた人は本当にジャック・ソックが大統領選に立候補したと勘違いする人もいるかもしれないが、よくよくこの特設サイトを見ると、トップ画面や動画内、ステッカー、ポスターに「バボラ」のロゴが印象的に配置されていて、パロディーだと分かる仕組みだ。
このキャンペーンは、TwitterやInstagramでも「#SockIn16」というハッシュタグで展開されていて、既に多くの人が「トランプはやめて、ジャック・ソックに投票しよう!」「どうやったらTシャツが手に入るんだ?」などとコメントしてにぎわっている。
ジャック・ソック自身もこのキャンペーンに乗り気で、米紙『マイアミ・ヘラルド』によると、自分の車にステッカーを貼っているほか、仲の良いテニスプレーヤーたちにもステッカーを配っているそうだ。
このキャンペーンは、アメリカの複数の大手メディアに取り上げられて「素晴らしい」と絶賛され、SNSでも拡散されており、バボラの広告効果は絶大なものになるだろう。
日本でも、これぐらい思い切った広告を見てみたいものだ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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