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日本人初のプロソフトテニスプレーヤー船水颯人 ソフトテニスのメジャー化へ “前人未到”の挑戦(後編)

2020年04月28日 インタビュー Written by Sports Japan GATHER

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2019年4月、日本人初のプロソフトテニスプレーヤーが誕生しました。その名は、船水颯人(ふねみず・はやと)さん。全日本シングルス選手権で4度の優勝、国際大会でも2016年のアジア選手権でミックスダブルス、ダブルス、国別対抗の3種目で金メダルを獲得し3冠を達成するなど、日本ソフトテニス界を牽引する若きエースです。これまでは実業団チームに入り、収入を得ながら競技を続けることが当たり前でしたが、船水さんが前例のない扉をこじ開けました。選手としてのキャリアと前人未到の挑戦に迫ります。

前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/340

(出典:Sports Japan GATHER『日本人初のプロソフトテニスプレーヤー船水颯人 ソフトテニスのメジャー化へ “前人未到”の挑戦【後編】』2019年11月5日)

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■前例のないことへの挑戦

早稲田大学入学後、その圧倒的な強さで数々のタイトルを獲得してきた船水さん。高校までは主にシングルスで結果を残してきたが、大学からはダブルスでも実力を発揮し、両方で各大会の表彰台に上り続けた。そして、大学の卒業を間近に控え、ソフトテニス選手としての“進路”の選択を迫られた船水さんは、考え抜いた末に『未知の領域』に踏み込む決断を下す。

【韓国に行って“プロ”になるか。もしくは日本で“プロ”として活動していくか】

ソフトテニスでは日本、韓国、台湾が強豪国とされており、その中で韓国だけ同競技が“プロ化”されている。基本的にソフトテニスは海外でさえ賞金が出る大会は少なく、獲得賞金だけで生計を立てるのは厳しいのが現状。それでも韓国では“ソフトテニスをすることが仕事として成り立っている”と船水さんは説明する。

「韓国では国際大会での活躍や、国内大会で好成績を収めることによって、臨時の報酬をもらえますし、それとは別にボーナスも支給されます。ただ、実際のところ韓国ではそこまでソフトテニスがメジャースポーツになっているのかというと、そうではなくて。意外と競技人口が少ないのが現状です」

韓国での『プロ入り』に向けて話を進めていった船水さんだが、同国のソフトテニス事情などから挑戦を断念。日本でプロになる方向へとシフトしていった。だが、国内であれば実業団という選択肢もあったはず。それでもプロにこだわった、その理由は一体何なのだろうか。

「もともとは実業団チームに入ろうという気持ちはあったんです。ただ、ものすごく実力のある先輩たちがサラリーマンとして働き、仕事を終えてから練習している姿を目にして“本当に競技で稼げる道はないのか?”と疑問を抱きました。

 そう考えた時に、今までにない道を開拓して“新しい選択肢を増やしていこう”と。前例のないことではありますが、まだ誰も成し遂げていないことに挑戦することには大きな価値があると思いますし、自分の実力がどこまで通用するのかっていう、その可能性にもチャレンジしてみたかった。僕は後先考えずに直感を信じて突き進んでいくタイプなので(笑)。そうと決めたらもうやるしかない。とにかく頑張っていこうと決意しました」

■“夢が持てる”競技に

2019年4月、ヨネックスとスポンサー契約を結び、日本人初のプロテニスプレーヤーとなった船水さん。新たな一歩を踏み出してからまだ約半年が経過したばかりだが(取材当時)、5月に行われた全日本シングルス選手権大会で優勝(大学時代から通じて3連覇)を果たし、プロとして大きな一歩を踏み出している。

そんな中、自主性を求められる環境の中でプレーしていた学生時代の経験が、より生かされていると感じている。

「高校時代もそうですが、大学では“自分がどういう性格なのか”を分析し、その上でメニューを考案していろいろ試しました。それを続けているうちに、選手としての自分を客観的に見ることができるようになったので、自分に合うメニューを作れるようになったんです。プロになってからは単独行動も増えて、選手としての自主性がさらに重要になってきているので、学生時代に『自主性を重んじたチーム方針』の中で過ごせたことは、本当に大きかったと感じています」

早稲田大学の軟式庭球(ソフトテニス)部は、監督が高校の教員でもあるため、毎日練習に顔を出すことは難しい。選手もそれぞれ授業スケジュールが異なり、就活で忙しい人もいるため、チームとして活動することもままならなかった。厳しい目を向ける監督やコーチがいないことで、ダラダラしてしまうのではないかという疑問を抱いてしまうが、それは違う。“自分のことは自分でしっかり決める”という経験を4年間できる環境だからこそ、選手としても、一人の人間としても大きく成長することができるのだ。

最後に、船水さんに“プロとして見据える未来”を聞いてみた。

「今後は競技普及活動にも積極的に取り組んでいきたいので、子どもたちには競技を楽しむことの大切さを伝えていきたいですね。僕はジュニアの時、コーチからは厳しい練習をたくさんこなすのではなく“楽しくソフトテニスをやる”ということを教えてもらいました。その時は理解できていませんでしたが、今ならその意図が分かります。

 やはり練習量が多く、結果ばかり求められると、どうしても競技を嫌いになってしまいます。当時は、遊び感覚でソフトテニスをやっていたので、こうして今でも楽しく競技を続けることができています。だからプロになって、子どもたちと触れ合う機会を増やすことができたなら、楽しめる範囲で、練習に取り組むことの重要性を伝えていきたいですね。

 そして最終的には、ソフトテニスを“メジャースポーツ”にしたい。僕がプロとして成功し、日本のソフトテニス界に変革を起こすことができれば、競技を続けていくための選択肢を増やすことができる。ソフトテニスが好きな子どもたちにも“プロ選手として活躍することができる”と夢を与えることができます。それを実現するためにも、これから多くの大会で結果を残し、ソフトテニスという競技が日本中から注目されるように頑張りたいですね」

10月には、第16回世界ソフトテニス選手権大会が中国で開催。男子団体戦ではライバルである韓国を決勝で下し、金メダルを獲得した。

また、冬からは体育館の中で行うインドア大会が開催。同大会は、ボールの跳ね方がオムニコートやクレーコートとは大きく変わり、戦術も外での試合とは大きく異なるため、また違った視点でソフトテニスを楽しむことができる。船水さんも、インドアは“迫力が違うからぜひ見てほしい”と話すほどオススメ。

今後はそういった屋内外全ての大会でのタイトル獲得を目指し、プロとしての活動を続けていく。彼ならきっと、ソフトテニス界の素敵なロールモデルを作っていける。

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[PROFILE]
船水颯人(ふねみず・はやと)
1997年1月生まれ、青森県出身。小学校1年生の時にソフトテニスを始める。早稲田大学に進学後、2016年アジア選手権で、ミックスダブルス、ダブルス、国別対抗の3種目で金メダルを獲得などさまざまな大会で結果を残す。昨年同大学を卒業しプロに転向。
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【了】

取材・文=佐藤主祥

記事提供:Sport Japan GATHER

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