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球場の外野席が流れるプールに! マイナーリーグオーナーの仰天プラン

2016年03月16日 コラム Written by 川内 イオ

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 汗ばむような陽気の日、野球場でビールを片手に観戦するのは気持ちの良いものだが、もっと“クールに”野球観戦を楽しめる球場が、テキサス州フリスコに誕生する。

 メジャーリーグ(MLB)のテキサス・レンジャーズ傘下で、マイナーリーグAA(ダブルA)所属のフリスコ・ラフライダーズが、本拠地ドクターペッパー・ボールパークの三塁側外野席の位置に、巨大な流れるプールを建設すると発表したのである。

 これは、2014年にチームを買収し、これまでにマイナーリーグで最大の高性能ビデオボードの導入、球場でDJが音楽を流すためのサウンドシステム、子どもが遊ぶためのスペースや球場併設のバーの改装など、球場のリニューアルに750万ドルを投じてきたチャック・グリーンバーグ氏のアイデア。
 プールは全長約53メートル、深さは約1メートルで、プールの中に2つの“アイランド”が設けられる。プールサイドにはベンチやテーブルが置かれ、飲食できる2カ所のリラックススペースもあり、プールの利用者は、泳いだり、水遊びをしたり、プールサイドでくつろぎながら野球の試合を観戦できる。水はプールと外野壁の間に設けられた8つのウォーターフォールを通して貯水槽に送られ、リサイクルされる仕組みで、総工費は公表されていない。

 200人からのグループであれば、1100㎡を超えるこの全スペースを飲食サービス付きで貸し切り可能で、50人からのグループの場合はプールのみを貸し切れる。25人からのグループは、予約状況によってリラックススペースでパーティーを開催できる。個人で利用できるのは木曜だけで、その日は39ドル(飲食付き)でプールサイド観戦が可能だ。

 ナショナルフットボールリーグ(NFL/アメリカンフットボール)のジャクソンビル・ジャガーズの本拠地や、MLBのアリゾナ・ダイヤモンドバックスの観客席にも小さなプールが設置されているが、フリスコのプールはジャガーズの9倍、ダイヤモンドバックスの8倍の大きさを誇る、全米最大の「スタジアム内プール」である。

 「Choctaw Lazy River」と名付けられたこのプールは、なんと6月に完成予定で、2月25日にフリスコがこの情報をリリースすると、AA所属のチームの話題にもかかわらず、そのユニークさに大手メディアが飛びつき、全米で大きく報道された。

 チームがスタジアムを所有しているからこそできることで、日本のプロチームではこのアイデアを取り入れるのは難しいだろうが、プールサイドでリラックスしながら水着で観戦することを想像すると、とても気持ち良さそうに感じるのは僕だけではないだろう。


スタジアム情報:https://www.youtube.com/watch?v=5KcJ9SZ2UJY


【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi

1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。


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