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プール、バー、キッチン付き新球場「ラスベガス・ボールパーク」が大人気!

2019年09月05日 コラム Written by 川内 イオ

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 いま、アメリカの野球のマイナーリーグ「3A(トリプルエー)」のパシフィックコースト・リーグに所属するラスベガス・アビエイターズに注目が集まっている。オークランド・アスレチックスの傘下の同球団が、今シーズン、異例の観客動員を記録しているのだ。66試合を終えた時点で総計60万9878人、平均9241人を集め、43試合でチケットが完売。3Aの30チームの中でトップに立った。

 もともと人気があったわけではない。今年4月にオープンした新球場「ラスベガス・ボールパーク」が、人気を博しているのだ。1983年から2018年まで本拠地だったキャッシュマン・フィールドという球場では、年間の観客動員数は38万7815人が最多で、その時の平均は5366人だったが、新球場に移転してから44試合でその記録を上回った。

 球場はサマーリンという町の住宅、オフィス、小売店が立ち並ぶエリアに近く、試合の日、観客が車で観戦に訪れても無料で駐車できる。駐車場を有料にすると、町の郊外に駐車して歩いて球場まで来るファンが多くなるが、それではファンにとって不便だし、町の小売店にもメリットがないからだ。

 球場は、あえて標高900mのエリアに建てられた。砂漠地帯にあって40度を超える日も珍しくないラスベガスにあって、比較的快適に過ごすことができるからだ。観客席はよくあるプラスチック製のシートではなく、オフィスにあるようなメッシュ製のシートを導入することで、より蒸し暑さを軽減した。メッシュ製のシートを導入することで、通常よりもコストが100万ドル増えた。

 右翼側のスタンドには固定席はなく、芝生のスペースにプールとバーを設置。プールは試合の日も団体で予約可能で、主に子どもの誕生日に利用されているという。

 ホームプレートの真後ろにあたるエリアは、プレミアムクラブを設けた。高級感のある飲食スペースに加えて、有名なシェフを招いて腕を振るってもらうための巨大な「ショーキッチン」を備える。このクラブを楽しむことができるのはプレミアムのシーズンチケット購入者のみで、限定400枚は完売。

 選手たちにも配慮された設計で、広々としたキッチン付きのクラブハウス、オフィス、ラウンジエリア、ホームチームとビジターチームの両方のトレーニングエリアを備える。また、ビジターチームは球場の向かい側にあるレッドロックカジノリゾートに滞在する。

 メジャーリーグに特化したメディア「BaseballParks.com」は過去20年間、その年にオープンした新球場、もしくは改装した球場の中から特に優れた球場に「Ballpark of the Year」を贈っているが、今シーズンはラスベガス・ボールパークが受賞した。「計画から建設まで、ファンのエクスペリエンスとプレーヤーの成長をあらゆる側面で考慮した素晴らしい施設」とたたえられている。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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