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イングランドのアマチュアチームが世界初の「AIコーチ」を導入

2019年03月07日 コラム Written by 川内 イオ

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 サッカー界ではパフォーマンス向上のために映像とデータ分析に注力するクラブが増えているが、イングランドのロンドンにあるクラブがさらに一歩先をいく取り組みを始めて話題になっている。2019年1月、イングランドのアマチュアリーグ「Isthmian League」(8部リーグに相当)に所属するWingate & Finchleyが、恐らく世界で初めて「AIサッカーコーチ」を導入したのだ。

 これは、イギリスの若者を対象にした科学、技術、工学、数学の祭典「The Big Bang UK Young Scientists & Engineers Fair」とクラブの提携によって実施された試みである。イングランドメディアによると、クラブの監督の本職が学校の教師で、子どもたちが理工系の教育に関心を持つきっかけになるのなら、と提携を決めたそうだ。

 クラブ側は「The Big Bang UK Young Scientists & Engineers Fair」に参加する学生とGreenshoot Labsのコラボレーションによって開発された、サッカーに特化したAIコーチを実際の練習や試合で使用する。

 現場では、クラブのコーチ(人間)がチームの長所、優秀な選手、フィットネス、モチベーション、相手チームの長所と短所について必要な情報を入力。Amazon Alexaのインターフェースを使用したこのAIコーチは、その情報をもとに先発選手やフォーメーションの提案をしたり、対戦相手に対する最善の戦術と編成を戦術や交代を提案する。それだけではなく、試合中にも試合の状況や対戦相手の情報を分析し、戦術やフォーメーション、選手の変更まで指示する。

 トレーニングと試合を重ねるたびに「思考」が進化するように設定されているが、もちろん、その判断をすべて受け入れるのではなく、最終的にはチームの監督が採否を決める。
 AIコーチを導入してから迎えた2月9日の第1戦は、1対1の引き分け。その後の4試合も2分2敗という成績で、AIコーチの効果は特に表れていない。

 しかし、人間が情報を入力し、人間が決断するという手続きを考えればAIコーチの能力不足と断じるには時期尚早だろう。
 数年後、この世界初の試みがサッカーとAIの歴史において重要な一歩だったと評価される可能性もある。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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