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「“スポーツ×ベンチャー”で日本のサッカークラブを盛り上げたい」スポーツの地方創生支援 安部未知子さん(前編) ~知りたい!就きたい!スポーツの仕事 連載19回目 スポーツの地方創生支援編~

2019年02月21日 インタビュー Written by Sports Japan GATHER

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 SJNでは、アスリートとスポーツを愛する人でつくる新しいコミュニティーメディア「Sports Japan GATHER(ギャザー)」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 東京2020オリンピック・パラリンピックに向け「スポーツ業界で働きたい!」と思っている学生や転職を希望している人が増えていますが、「どんな職種があるの?」「どんなスキルが必要なの?」など分からないことが数あり、仕事の実際を知ることが意思決定には重要となります。そこで、スポーツを仕事としている人にインタビューし、仕事の“あれこれ”を聞く連載『知りたい!就きたい!スポーツの仕事』をお届けします。

 今回は、プロスポーツクラブが地方を元気にするプロジェクトを発足した、安部未知子さんの登場です。

(出典:Sports Japan GATHER『「“スポーツ×ベンチャー”で日本のサッカークラブを盛り上げたい」スポーツの地方創生支援 安部未知子さん(前編) 知りたい!就きたい!スポーツの仕事 連載19回目~スポーツの地方創生支援編~』2018年12月26日)

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プロスポーツクラブが地方を元気にするプロジェクトを発足
名前:安部未知子(あべ・みちこ)
職業歴:2018年~

仕事内容
・サッカークラブの事業サポート
・企業への営業
・新規事業開発&立ち上げ

■澤穂希さんの存在が憧れから“仲間”という感覚に
 Jリーグが開幕した1993年。当時、小学5年生だった安部未知子さんは、日本にサッカーのプロリーグが誕生したことがきっかけで競技を始めた。サッカーをやりたい女子は、男子チームに入ることがほとんどだが、幸いにも女子チームが近所にできていたため、初心者でもすんなり溶け込むことができたという。

 それからはボールを蹴ることに熱中し、東京・よみうりランドにて行われた全国少女サッカー大会出場を果たす。同大会には、日テレ・ベレーザの選手たちが大会の応援に参加し、リフティング等の技を見せてくれた。サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)主将として活躍し、3年前に引退した澤穂希さんも若くして、ベレーザの一員として参加。安部さんにとって、澤さんをはじめベレーザの選手は当時から“憧れの大スター”。初めてその姿を見たときの驚きは、今でも鮮明に思い出すという。

「憧れの選手でしたね。よみうりランドで見た瞬間、“うわぁ澤さんや~”みたいな感じでした(笑)。でも、“ベレーザの選手みたいになりたい!”というよりかは、追いつこうなんて思わせないぐらい雲の上の存在でしたね」

 その後もサッカーを続け、高校卒業後は大阪体育大学に進学。卒業後は、競技者ではない形でサッカーの仕事に携わりたいと考えていたため、同大学では部活でプレーしながら、スポーツマネジメントを勉強した。さらに、Jリーグの東京ヴェルディと当時JFL(日本フットボールリーグ)だったガイナーレ鳥取でインターンシップを経験。ガイナーレ鳥取では、選手のサポートや子ども向けスクール事業の手伝いなど、教室だけではなく実際の“現場”で仕事を学んだ。

 こうした経験や、Jリーグのクラブに勤めている大学の先輩からの紹介もあり、2005年から東京ヴェルディ(※当時運営会社:株式会社日本テレビフットボールクラブ)に新卒で入社。主にスポンサー獲得のために企業を回ったり、法人向けのチケット営業をしたりと、興行を中心とした営業活動を行った。

 また、運営会社が日テレ・ベレーザも運営していたため、同チームのメインスポンサーも担当。2000年~2010年までに8回ものリーグ優勝を果たすなど、ベレーザの“黄金時代”を築いた選手たちと行動を共にし、その中には憧れの存在である澤さんの姿もあった。

「また澤さんに会えただけでなく、よみうりランドで一緒に仕事をすることができたというのは、本当に感慨深いものがありましたね。でも、仕事を続けていくうちに、いつしか憧れの存在から、同じ感覚で価値観を共有できるような仲間になっていました。澤さんをはじめベレーザの選手たちとそういう距離感が近い関係性を築くことができたのは、私にとって本当に大きかったです」

■サッカークラブを変革する『スポーツ×ベンチャー』の可能性
 しかし東京ヴェルディは2009年9月、経営悪化から、長年携わっていた日本テレビが経営から撤退。社員の雇用さえも不安定な状態に陥り、今後のキャリアについて考え始めた。そのタイミングで地元にあるサッカークラブ、京都サンガF.C.からオファーが届き、2010年に同クラブに転職することを決めた。新たな職場でも、営業部でスポンサー営業やイベント企画を展開するなど活躍。その後、結婚と2度の出産を経て、育児をしながら個人事業主である夫の仕事を手伝った。

 それでも、育児と仕事が両立できる範囲で再び働き始めたいと希望した安部さん。思いっきり、仕事も育児もできる職場を模索した結果、たどり着いたのがベンチャー企業の幹部人材に強みをもつ人材紹介会社BNGパートナーズだった。2017年3月に入社し、主に社内外のイベント運営や、コンサルティング業務を担った。

 コンサルタントをする中で新規事業としてスポーツクラブのコンサルティングに従事し、Jリーグクラブを中心としたプロスポーツクラブの経営者と会い課題をヒアリングしていった。その際に、人材におけるベンチャー企業とスポーツクラブの“共通点”と“問題点”が浮かび上がってきたという。

「プロスポーツクラブも下位カテゴリーであればスタッフの人数も少なく、事業規模も似ており、また新しいことにチャレンジするマインドを持ち合わせている。その点において、スポーツクラブとベンチャー企業は共通しています。中には、プロスポーツクラブと同じように地域活性を目指すベンチャー企業があります。そして、スポーツ現場で活用できるITサービスを展開しているベンチャー企業もあるので、プロスポーツクラブと親和性があると感じました。

 一方で、既存事業を伸ばしたり、新規事業を立ち上げたりする際にベンチャー企業は優秀な人材に投資をする考え方がありましたが、スポーツクラブはビジネスサイドの人材に積極的な投資ができない状況があり、経営課題を『人材』で解決することは難しいと考えるようになりました。

 また地方にある責任企業がない市民クラブの経営者にお会いする中で、私が所属していた2つのクラブの課題とは異なり、クラブのことに限らず、人口減少・経済低迷といった要因で街自体の存続が危ぶまれる中、クラブが街に対してできることを模索していることを知りました」

 経済が低迷する中で、チケット・スポンサー・グッズ等の既存事業だけでは首都圏のクラブに太刀打ちできない。さらに自分たちのクラブだけがもうかっても何の意味もない。

 地域経済の活性化を考えている経営者に会い“私にも何かできるはず!”と、人材にとらわれない課題解決をするべく2018年5月から独立。“プロスポーツクラブが地方を元気にするプロジェクト”を発足させ、日本のサッカークラブから社会を変え、地方創生を目指す新たなチャレンジが始まった。

(後編へ続く)⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/274

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[PROFILE]
安部未知子(あべ・みちこ)

1982年生まれ、京都市出身。1993年のJリーグ開幕をきっかけに小学校からサッカーをはじめ、大阪体育大学卒業と同時に現役を引退。同大学でスポーツマネジメントを専攻したことをきっかけに、東京ヴェルディ、ガイナーレ鳥取でのインターンシップを経験。2005年、新卒で東京ヴェルディの事業部に入社し、スポンサー営業やチケット販売に従事。2010年に出身地のクラブ、京都サンガF.C.に転職し、営業部でスポンサー営業やイベント企画を展開。結婚、出産を経て株式会社BNGパートナーズでスポーツクラブのコンサルタントを行った後、現在は、フリーでプロスポーツクラブが地方を元気にするプロジェクトを発足。
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(※データは2018年12月21日時点)
【了】

取材・文=佐藤主祥
記事提供:Sport Japan GATHER

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