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ゴルフのスイングを分析するウェアラブル端末を野球に活用 MLB球団などがバッターのスイング分析に導入

2018年12月03日 コラム Written by 川内 イオ

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 アメリカではスポーツにおけるテクノロジーの活用がトレンド化しており、競技のジャンルをまたいだ導入事例も出てきている。

 現在、メジャーリーグのチームや野球のトレーニング施設が注目しているのは、ウェアラブル端末「K-Motion」だ。これはゴルファーのスイングを数値化し、3D分析するためのベストのようなデザインをしたツールで、ホームページにも「3D Golf Swing Analysis」と書かれている。これをバッターのスイングの分析に応用し始めているのだ。

 MLBにおけるバッターのスイングのデータ化、可視化は以前から行われてきたが、分析装置が高価なうえに大掛かりで持ち運びできなかったため、実施できるのが生体力学の研究室などに限られていた。テクノロジーを活用した野球のトレーニング施設Driveline Baseballでも同様の取り組みをしていたものの、15台のカメラが必要だった。

 K-Motionはどこでも着用できるうえ、スイング時のプレーヤーの胴と骨盤の曲がりの具合や速度を計測することができる。データはリアルタイムで表示され、比較可能。バッターの姿勢とポジショニングに関するこれらの指標は、欠点を特定し、改善するのに役立てることができる。大きなメリットは、かつての方法と異なり、研究室ではなく実際の試合に即した状況でデータを取得できるようになったことだ。

 シアトル・マリナーズはK-Motionの導入を決めたチームのひとつで、マイナーリーグの選手がK-Motionを使ってトレーニングできるように、専門的なコーチを雇っている。
 K-Motion を導入したDriveline Baseballではこれまでに70名以上のメジャーリーガーのデータを取り、「理想的なスイング」を調査しており、現時点では「上肢」の使い方がポイントになっていることが判明している。

 マリナーズやDriveline Baseballでトレーニングを受けたバッターが結果を出せば、バッティングだけでなくピッチングなどさまざまな動作のデータ化が進むだろう。そこに新たなビジネスチャンスがありそうだ。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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