スポーツ中継で存在感を増すYouTube TV MLB、NBAとパートナーシップ契約を締結
2018年05月02日 コラム メディア/放映権 Written by 川内 イオ
FacebookやTwitter、アマゾンなどの参入によって活性化しているアメリカのプロスポーツ中継。その中で、急速に存在感を増しているのが、YouTube TVだ。
2017年4月にスタートした、月々40ドルの有料オンラインストリーミングサービスYouTube TVは、2017年10月、メジャーリーグ(MLB)からワールドシリーズのストリーミング中継権を獲得。金額は明かされていないが、この契約にはMLBのWebサイト、ソーシャルメディアアカウント、スタジアムへのYouTube TVの広告出稿も含まれている。
そして今年3月には、MLB直営のチャンネル「MLBネットワーク」をYouTube TVで視聴できる契約を締結。さらに今年と来年のワールドシリーズでのストリーミング放送とプロモーションも継続されることが決まった。YouTube TVは、最終的にMLBの全ての試合をライブストリーミングで観戦できるオンラインサブスクリプションチャンネル「MLB.tv」を作る予定とされる。
同じく3月、YouTube TV内でNBAの専門チャンネル「NBA TV」の放送が決まったほか、NBAともパートナーシップ契約を結び、YouTube TVが今年5月31日からスタートするNBAファイナルの冠スポンサーになることを発表した。この契約には、WNBAファイナルとNBA Gリーグファイナルの冠スポンサーも含まれる。
この契約により、ファイナルに全試合でコート上に「The Finals presented by YouTube TV」というコピーが掲載され、YouTube TVで全試合ライブストリーミング中継される。
YouTube TVは親会社アルファベット(グーグルなどを所有する持ち株会社)の豊富な資金力を背景に今後もスポーツ分野を強化すると明かしており、メディアによるスポーツコンテンツの奪い合いは激化しそうだ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N
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