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目標は視聴者数7億人!インドのプロクリケットリーグの放送が多言語化に!

2017年12月28日 コラム Written by 川内 イオ

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 今年9月、インドのプロクリケットリーグ「Indian Premier League」の2018年から2022年までの国内、海外、デジタルの放映権を落札したインドメディア大手、スター・インディア。26億ドルという巨額の提示額でソニーやFacebookなど14社との競り合いに勝った同社は、来春の新シーズン開幕に向けて新たな戦略を練っているようだ。インドメディア「THE ECONOMIC TIMES」など複数のメディアが報じている。

 報道によると、スター・インディアは新シーズンの試合中継について、6つの言語での放送を予定しており、さらに熱心なファン向けに詳細な解説をするチャンネルを新設し、合わせて計7つのチャンネルとストリーミングサービスでの放送を計画している。これまでは、英語とインドの公用語であるヒンディー語で放送されていたが、新たにインド国内で広く使用されているタミル語、テルグ語、カンナダ語、ベンガル語での放送が加えられる。ファン向けの番組は、英語放送になる。

 英語とヒンディー語だけの放送に比べて、かなりの人手と資金と手間がかかると予想されるが、現地メディアの取材に対して、スター・インディアのマネージングディレクターは、多言語化の理由を明かしている。スター・インディアでは映画やドラマの放送も手掛けているが、同じように多言語化してローカライズしたところ、視聴者数が大きく伸びて同社の収益に大きく貢献したそうだ。過去8年から9年にわたり、同社のシェア拡大の最大の要因になっているという。

 さらに新シーズンから、インターネットでリアルタイム中継を始める。デジタル分野の放映権を持っていた同社は過去4シーズン、「Hotstar」という同社のサイトでストリーミングをしていたが、ソニーがテレビの放映権を持っていた関係で、テレビの生中継から5分遅れる形で放送せざるをえなかった。この障壁がなくなった新シーズンは、テレビとインターネット放送、どちらもリアルタイムで視聴可能になる。

 ちなみに、今年4月から5月にかけて開催されたシーズンは、60試合が行われ、総視聴者数はテレビが4億1000万人、ストリーミング放送は1億3000万人だった。
 同社は多言語化によるローカライズとインターネットでのリアルタイム中継によって、この数字を7億人にまで伸ばそうとしている。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!  「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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