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アメリカンフットボールの名門大学が異例のコラボ。3人の子どもがユニフォームをデザイン、その理由とは?

2017年09月08日 コラム Written by 川内 イオ

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 大学スポーツがプロ並みの盛り上がりを見せるアメリカ。アメリカンフットボールも日本では想像ができないほどの人気を誇り、トップチームは年間の収入が100億円を超え、年俸が10億円を超えるヘッドコーチもいる。

 アメリカ・オレゴン州にあるオレゴン大学のアメリカンフットボールチーム「オレゴン・ダックス」は全米屈指の強豪で、収容人数6万4000人のスタジアムを持ち、試合のたびに満員の観客で埋まるほどの人気を誇る。

 オレゴン・ダックスは、9月9日に予定されているネブラスカ大学との対戦を前にスペシャル・エディションのユニフォームを発表した。このユニフォームがいま、アメリカで話題になっている。

 オレゴン大学のチームカラーは緑と黄色だが、今回は白を基調にしたスタイリッシュなユニフォームで、一部、ダックスの黄色が用いられている。このかつてないカラーのユニフォームをデザインしたのは、3人の子ども。3人ともオレゴン州ポートランドの子ども病院、ドーンベッチャー・チルドレンズ・ホスピタルに入院しているがん患者だ。

 これは、小児がんに対する啓もうのキャンペーンで、オレゴン・ダックス、ユニフォームを提供しているナイキ、そして、ドーンベッチャー・チルドレンズ・ホスピタルのコラボレーションで実現した。

 それぞれ重いがんを克服した3人の子どもたちは、ナイキのデザイナー、ダックスの選手たちと一緒にデザインを考案。ユニフォームの肩の部分には、公式マスコットのアヒルとともに「CANCER」、グローブの表と裏には「OVERCOME」、パンツの太ももの部分には「WIN THE DAY」「WIN THE FIGHT」というメッセージが記されている。

 このスペシャル・エディションのユニフォームは9月4日から発売され、収益はすべてドーンベッチャー・チルドレンズ・ホスピタルの小児がん基金に寄付される。

 もともとチャリティーが盛んなアメリカだが、がんを患った子どもがデザイナー、選手と一緒にユニフォームのデザインまでするのは異例のことで、多くのメディアがダックスを讃える記事を掲載している。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
新刊『BREAK! 「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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