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ウエスト・ブロムウィッチが中国に進出 オーナーは中国サッカー発展を目指す

2017年07月03日 コラム Written by 川内 イオ

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 イングランド・プレミアリーグに所属するウエスト・ブロムウィッチ(WBA)が、中国進出を計画している。イギリスと中国の複数メディアが報じている。

 WBAは昨夏、中国の大手ランドスケープ設計事務所『Palm(以下パーム)』など複数の企業の経営に携わる中国人実業家、ライ・チュアン氏が会長を務める「ユインイ・グオカイ・スポーツ・ディベロップメント」によって推定2億ポンド(約260億円)で買収された。その買収の際、ライ・チュアン氏が目標に掲げていた「中国サッカー発展への貢献と、商業的、文化的に重要な機会をクラブにもたらすこと」を実行に移すようだ。

 報道によると、ライ・チュアン氏に関連する企業で、WBAの主要スポンサーでもあるパーム・エコタウン・ディベロップメント・カンパニーが、中国に5つまたは6つの「ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンスポーツタウン」を建設する計画を立てているという。

 そこは環境に配慮した最新のエコタウンになる予定で、そのメインコンテンツとしてWBAのコーチが中国人指導者に指導方法を伝授し、ユース年代のトレーニングを行う直営施設も造られる。中国紙『北京ビジネス・トゥデイ』は、パーム・エコタウン・ディベロップメント・カンパニーが貴州省の貴陽市と安順市の間のエリアの利用に関して、既に当該の自治体と契約を結んだと記している。詳細は明らかになっていないが、ライ・チュアン氏は、エコタウンの収益の一部をWBAに還元することを目指しているようだ。

 中国政府は深刻な環境汚染の対策としてエコタウンの開発を振興しており、プレミアリーグのクラブとの連携によって中国サッカーの底上げも期待できるエコタウンの造成は、一挙両得。今後、中国全土でサッカーアカデミーやエコタウンの展開を目指すライ・チュアン氏のビジネスに有利に働くとみられている。

 中国には巨大なサッカーアカデミーも存在するが、先進的な町づくりのコンテンツとなるアカデミーは他にない。WBAの成績も影響するだろうが、ライ・チュアン氏の取り組みは、新たな試金石となるだろう。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi

1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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