ラグビーが人気スポーツの仲間入りをするためには
2015年10月24日 コラム その他 Written by 新川 諒
スポーツマーケティングの分野で情報収集から分析、戦略策定までを実現するグローバル企業「レピュコム」が、各国でのラグビーへの興味、ファンの実態についてリサーチを実施した。
ⒸRepucom
ラグビーワールドカップ2015イングランド大会において、日本代表が世界中を驚かせる活躍を見せた一方で、開催国のイングランド代表が初めてベスト8を逃し、地元制覇を期待されたラグビーの母国が早々に姿を消すことになった。こうした結果を受ける前のデータではあるが、ラグビーが人気スポーツの一つであるイギリスでのファンの実態について、レピュコムのデータをもとに見ていきたい。
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現在開催されているワールドカップの開催国、イギリスの性別人口分布は、50%が男性、残る50%が女性となっている。ところが、ラグビーに興味を持っていると回答した人に関しては、66%が男性という調査結果が出ており、女性ファンがまだまだ少ないことが分かる。また年齢別人口分布に目を移すと、16歳から24歳までがたったの17%、25歳から34歳までが33%、35歳から44歳までが22%、45歳から59歳までが27%となっており、16歳から24歳までの若い世代を取り込めていないという課題が浮かび上がってくる。若い世代層へのアプローチのために大きな役割を今後担っていくと考えられるのが、ソーシャルメディアの存在だ。ラグビーファンが情報を手に入れるメディアとして、テレビとインターネットに次ぎ、約60%のファンがソーシャルメディアを利用しているというデータが出ている。
レピュコム UK&アイルランドのマネージング・ダイレクター、ジョン・ステイナーは、今大会のワールドカップ終了後には、イギリス国内で約500万人もの人がラグビーに対して興味を持ち、また実際にプレーする人も増えるだろうと予測している。
イギリスをはじめヨーロッパでのラグビー人気はサッカーに後れを取っており、国際大会では全体的に人気は上昇傾向にあるものの、国内リーグではまだ経済的に苦しんでいるのが現状だ。イギリスのラグビーファンに統計を取ったところ、プロスポーツが発展していくためには、スポンサーの役割が重要だと回答した人が64%だった。また、33%の人がライバルブランドの商品よりもスポンサー企業の商品をひいきし、61%の人が草の根レベルでのスポーツの健全性にスポンサーの役割が重要だと回答している。
ワールドカップでの日本代表の活躍でラグビーが話題となっている今、その波にいかに乗って、国内リーグを発展させていくのか、そしてスポンサーをどう取り込んでいくのかは、4年後の2019年に自国開催のワールドカップを控えている日本も参考にしていく必要があるだろう。
【了】
新川諒●文 text by Ryo Shinkawa
幼少時代を米国西海岸で10年過ごし、日本の中学・高校を経て、大学から単身で渡米。オハイオ州クリーブランド付近にあるBaldwin-Wallace Universityでスポーツマネージメントを専攻。大学在学中からメジャーリーグ球団でのインターンを経験し、その後日本人選手通訳も担当。4球団で合計7年間、メジャーリーグの世界に身を置く。2015年からは拠点を日本に移し、主に海外スポーツ中継に携わるフリーランスの翻訳家、さらにはフリーライターとしても活動中。
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