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2022年に冬季五輪を控えた中国と関係を深めるNHL 今年9月に2都市でエキシビションマッチを開催

2017年04月07日 コラム Written by 川内 イオ

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 アメリカのNHL(ナショナルホッケーリーグ)が、アジア進出を計画しているようだ。NHLは中国最大規模の製缶会社の一つ、ORGパッケージング社をスポンサーにつけて、今年9月21日と23日、NHL屈指の人気チーム、ロサンゼルス・キングスとバンクーバー・カナックスが北京と上海でエキシビションマッチを開催すると発表した。

 NHL公式サイトによると、2022年に北京での冬季オリンピック開催が決まっている中国は、今後5年間で同国における冬季スポーツ参加者を3億人以上に拡大する計画を立てている。冬季五輪で注目度の高いアイスホッケー人口の増加とレベルアップも目指しており、過去数年、NHLは中国政府と提携して強化に協力してきた。これまでにキングスとカナックスをはじめとする計7チームが、ホッケー人口を開拓するために、ユース世代のホッケーキャンプを開催している。

 また今年1月には、キングスがORGパッケージング社のチェアマンをNHLのオールスターゲームに招待。キングス側の手配でチェアマンはゴーリー(ゴールキーパー)として氷上に立ち、ジャスティン・ビーバーのショットを止めるという機会を得た。
 こうした蜜月関係が発展し、今年9月に中国で初めてNHLのエキシビションマッチが開催される運びとなった。

 ちなみに、NHLは一度、アジア進出を果たしている。1997年、98年、2000年の3度にわたって、日本で計6試合を開催しているのだ。「GAME ONE JAPANシリーズ」と銘打たれた試合はNHLが初めて海外で開催した公式戦だったが、その後、NHLの足はアジアから遠ざかった。おそらく、期待以上の収益が得られないと判断したのだろう。

 中国との関係の強化は、オリンピックを控えた中国側の要望でもあるが、中国ではNHLへの注目度が高まっている。2015年に、ニューヨーク・アイランダーズが史上初めて中国出身の選手、宋安東(Song Andong)を指名したのだ。加えて、前述したようにホッケーキャンプなどが行われて認知が広がる中で、NHLは中国初のエキシビションマッチを市場開拓の足掛かりにする意向だ。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi

1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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