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『公式戦ではなく練習試合という感覚で』 “実践”ありきのユニーク講座で、ゼロから始めるスポーツビジネス ~ジョギングインストラクター・西堂路淳氏インタビュー~

2016年12月27日 インタビュー Written by 吉田 直人

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 スポーツビジネスというと、プロチーム経営やスタジアム運営といった大規模なビジネスを真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかしながら、スポーツを仕事にすることを考えた場合、それだけが全てではありません。スポーツ業界を見渡すと、ビジネスへの間口はあらゆるところに存在しています。

 今回は、フルマラソン出場をきっかけにしてランニングビジネスを始めるに至った西堂路淳さんに、起業の経緯と新たなチャレンジについて伺いました。

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■先輩の誘いで“運命の”初フルマラソン挑戦!

 もともと、部活でサッカーやバレーボールをやっていたものの、特にアスリート経験があるわけではなく、前職は会社員をしていました。10年ほど前に、当時の会社の先輩から「フルマラソンを走ってみないか?」と誘いを受けて、こんな誘いでもなければ走ることもないだろうなと思い、チャレンジしました。

 半年ほどトレーニングしてなんとか完走。その後もぼちぼち走っていたのですが、専門的に学びたいという思いが強くなり、ある時インターネットでジョギングインストラクターの養成講座を見つけてすぐに応募したんです。受講後、ランニングの楽しみを人に伝えたいという思いから、講座での経験を生かして、7年ほど前から鎌倉でジョギング教室を始めました。ゼロからのスタートでしたが、それが全ての始まりでした。

 当初は会社員との兼業で、近隣の人を集めて始めました。そんなある時、講座の代表の方から、「ファンステ(ファンライドステーション+ランステ青山/サイクリスト・ランナー向けのコミュニケーションスペース&シャワー施設)の店長募集があるんだけど、お前どうだ?」と言われたんです。ジョギング教室もまあまあ軌道に乗り始めていましたし、「やります」、と。それが会社を辞めるきっかけになりましたね。(契約期間の)1年間は固定給が入るし、奥さんを説得するのにも良い材料になりました(笑)。

 契約満了まで店長を務めた後、自身で運営していたジョギング教室が補助金の対象に採択されたことをきっかけに、今から3年前に法人化しました。

■好きで始めた週末起業。いつのまにか天職に

 スポーツを仕事にしたいという思いは常日頃から持っていたのですが、人脈も、キッカケもなく、どうしたものかと。そこにたまたまフルマラソンに誘われて走った。その時点ではこれをビジネスにしていこうという強い思いはありませんでした。サラリーマンでしたし、週末を使って教室でもやってみようかな、というくらい。最初はチラシを配ったり、近所のオジサン、オバサン呼んだり。そこまで人も集まりませんでしたが、是が非でもお金にしないといけないというわけでもなかったし、好きな事だったので苦労はしませんでした。

 そのうち、会社員としての収入を越え始めて、そのタイミングで(前述の)業務委託の話を頂いた。人脈が生きてきたんです。他の人から「こんな仕事あるよ」と言われ始めたことで、これが自分の天職だと感じ始めました。自分の中ではコツコツなんとなく続けていたので実感はありませんでしたが、振り返ってみるとそうかもしれません。


■トレラン、ロゲイニング、そして新たなチャレンジ

 ビジネスの柱は3つ。1つ目はトレイルランニングのツアーやフルマラソン向けの練習会といったランニング事業です。鎌倉を中心に、スタッフがスタートからゴールまで先導しつつ、みんなでワイワイ走ります。

 2つ目は“ロゲイニング”という周遊型のイベント。たまたま知人から「ニシさんトコでやったら面白いんじゃない?」と言われ3年ほど前から開催しています。ロゲイニングというのは、地図に示されたポイントを回ってどれだけ得点を稼ぐことができるかという地図読みのスポーツです。ウチでは(1回につき)3時間~3時間半で実施し、ポイントを回った証拠に写真を撮影してきてもらう。地域活性化のツールとしても役立ちますし、一度に数百人集めて、年に3~4回のペースでやっています。

 そして3つ目が、来年からスタート予定のスポーツビジネスパーソン養成講座です。スポーツビジネスをもっと価値ある業界にしたい。ただ、可能性のあるこの産業を担える人材を育成していく場所があまりないので、自分の経験や実績を踏まえて、少しでも役に立つことができればと考えています。

 講座の一番の特徴は、座学で終わらない、ということ。実際にお支払いいただいた受講料を事業資金として投資し、それを元にして半年間に事業を運営していただきます。どこもやっていなくて、あったらいいなという講座だと思うんです。具体的には交流会の開催でもいいし、選手を呼んでのトークイベントでもいい。その場合、ゲストのフィーや会場代はいくらか、参加費をいくらにすればペイできるのか、など実際に体験してもらう。それが大きなポイントです。

 私自身、今までいろいろなビジネスの講座を受けてきましたが、やはり実践しないと身に付かないものもあります。小さくてもいいので実践が大事。競技でいえば公式戦ではなくて、練習試合。「ビジネスってこういうものなんだ」というのを体感してほしいという思いが、この講座を立ち上げたきっかけです。

■スポーツビジネスのチャンスをつかむきっかけに

 一般にスポーツビジネスというといわゆるプロスポーツビジネスのような、何億円ものお金が動くところにスポットライトが当たります。それがピラミッドの頂上で目指すところなのかもしれませんが、もっといろいろな可能性が底辺の方に眠っている。決して大規模なスポーツ経営だけではないんだということを、この講座を通じてわかっていただけたらという気持ちです。

 スポーツには“する”、“観る”、“支える”という三本柱があります。この講座には“支える”目線を持っている人に是非来ていただければと思っています。今後、ダブルワークも増えていくでしょうし、その中で自己実現をスポーツでしたいと少しでも思っている人に来てもらえたらなと。事業計画書を作成したら実行まで持っていくことができる、「わかる」だけでなく「できるようになる」講座を目指したいと思っています。

■楽しくもあり、ラクじゃないところを常にやっていきたい

 現在、ランニング事業はいろいろな方々に協力していただいて、自分がいなくても回すことができるようになっています。そこに少なからず小さな雇用は生まれているわけです。ロゲイニングに関してもそう。地域活性化や雇用創出、それらをスポーツを通じてゼロから作っていきたい。私自身、ルーティンワークが苦手なので…、新しい事、一番楽しくもあり、でもラクじゃないところに常にチャレンジし続けたいんです。“関係者の方々が達成感、満足感、充実感を得られる機会を提供する”という経営理念をブラさずに継続していく中で、周囲の方々がスポーツを通じて自己実現をしていければと思っています。今回の講座を通じて、一人でも二人でもスポーツビジネスに携わりたいと思ってもらえたらうれしいですね。

「スポーツ×仕事=スポーツビジネス」
机上では終わらないアウトプット重視の実践型ビジネス講座
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http://www.kamakurun.jp/sports-business

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<profile>
西堂路淳(にしどうじ・あつし)
1973年生まれ。大学卒業後、横浜市の民間企業へ就職。2008年に趣味でランニングを開始。その後、専門的に学びたいと思い、ジョギングインストラクターの資格を取得。2009年に会社員の傍ら、ジョギング教室を神奈川県鎌倉市で始める。2012年に15年勤めた会社を退職して、個人事業主として本格的にランニング事業を開始。2014年に株式会社スポーツライフパートナーを設立。2017年4月よりスポーツ起業家発掘養成講座を開講する。
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【了】

吉田直人●構成 text by Naoto Yoshida
1989年生まれ。中学~高校まで陸上競技部に所属。大学時代は学内のスポーツ新聞記者として活動し、大学駅伝やインターカレッジを始め、陸上競技を中心に取材。卒業後、2012年より広告代理店にてインターネット広告業務に従事。2016年に退職後、現在駆け出しのスポーツライターとして活動中。


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