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ラグビー界に訪れたバブル! 2019年W杯を成功に導くヒントとは?

2016年12月16日 コラム Written by 新川 諒

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 2015年6月、ラグビーワールドカップは日本にとって南アフリカを倒すなど、2019年の自国開催の大会に向けて大きな足がかりとなる大会だった。日本の勝利もあって国内全体でのラグビーへの興味は増し、ニールセンスポーツの調査によると、全国で70%の人がラグビーに対しての興味が増したという結果が出ている。さらにはアジア地域でも前回大会に比べると、視聴者が69%増となり、ライブで視聴した人は221%も向上した。

 グループステージ敗退となったイギリスでもラグビーへの興味は右肩上がりとなり、前年の同時期の調査に比べ、ラグビーに興味がある、もしくは大変興味があると答えた割合は6%も向上した。

 その興味は2016年RBSシックス・ネイションズでも続き、ソーシャルメディアでも注目度は増し、各スポンサーはファンを引き込むアクティベーションを積極的に展開していった。

 パーソナル・ケア製品のブランドであるDOVE(ダヴ)は大会期間中にハッシュタグ「#SCRUMTOGETHER」(共にスクラムを)をソーシャルメディアで展開し、選手の画像や動画を交えて大会を盛り上げた。契約選手であるイングランド代表のオーウェン・ファレルも自身のアカウントからツイートで発信し、試合のチケットが抽選で勝ち取れるキャンペーンへの参加を呼び掛けて、一役を買った。

 さらには情報システム関連製品およびサービスを提供する企業のIBMは試合のデータ項目のスポンサーとしてハッシュタグ「#IBMTryTracker」を導入し、試合中もソーシャルメディア上でデータに関する議論を展開するプラットフォームづくりを行った。

 そしてイギリスの携帯電話会社のO2はイギリス代表選手の舞台裏、インタビューやハイライト番組をYouTubeなどで展開し、ハッシュタグ「#O2InsideLine」としてその様子を広めていった。選手や大会における各シーンにそれぞれのスポンサーがアクティベーションを展開することで、さらに話題を広げる活動を行っていった。

 一方でソーシャルメディアを含めたオンラインコンテンツが増えていく中、テレビ中継も過渡期を迎えつつある。ここ13年間シックス・ネイションズの放映権を持っていたBBC(イギリスの公共放送)だが、今大会からはイギリス最古の民間放送局であるITVと共同で中継の権利を分担した。ウィークリーハイライト番組も構成され、1番組につき平均で44万3000人が視聴した。これはITVが中継する国内のプレミアシップラグビーにも好影響を及ぼし、前年比に比べて7%増の68万5000人がハイライト番組を視聴することへとつながった。

 ソーシャルメディアでの盛り上がりに負けじと、テレビの世界でも取り組みを続け、良い相乗効果を生んでラグビー全体を盛り上げることに注力している。だが今後、特に18-24歳の若い世代を取り込んでいくためには、ソーシャルメディアの活用を度外視することはできないだろう。

 ソーシャルとデジタルコンテンツを増やしていくことで、ラグビーの世界がファンにとってより身近なものとなっていく。そのためには今回のシックス・ネイションズで見せた各スポンサーのアクティベーション活動が今後より期待される。ラグビー界全体ではグローバルスポンサーシップから得た収入は2012年と比較して、21%も増えた。2015年度には約520億円へとその金額は増えている。

 ヨーロッパのブランドに偏っていたスポンサー企業も近年は北米、アジア、中東からも増えてきている。ラグビー界にとって訪れたバブルを、2019年ワールドカップを開催する日本は生かすことができるのか? 12会場で展開される大会では従来のメディアの取り組みももちろんだが、若い世代を巻き込むソーシャルメディアを使ったアクティベーション活動も必要となってくることは間違いなさそうだ。

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<ニールセンスポーツとは?>
世界最大のリサーチ会社ニールセンが2016年6月21日、スポーツ視聴測定、メディア評価およびマーケットインテリジェンスなどのスポーツマーケティングリサーチ&コンサルティングサービスをワンストップで提供する世界最大企業レピュコムを買収したことにより誕生。
グローバル規模でのスポーツ関連サービスを拡大、成長著しいスポーツ市場におけるアナリティクスやインサイトの提供においてトップの地位を確立する。
スポーツに対するスポンサーシップ投資は現在、世界規模で 600億ドルとますます成長しており、ニールセンスポーツでは、スポンサーシップ効率からファン層データの可能性に至るさまざまなソリューションを、ニールセンの消費者行動およびメディア利用に関する知識と組み合わせられる、という理想的な立場を生かして、事業の商業的な成功の最大化を支援している。
公式サイト:http://nielsensports.com/jp/
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【了】

新川諒●文 text by Ryo Shinkawa
幼少時代を米国西海岸で10年過ごし、日本の中学・高校を経て、大学から単身で渡米。オハイオ州クリーブランド付近にあるBaldwin-Wallace Universityでスポーツマネージメントを専攻。大学在学中からメジャーリーグ球団でのインターンを経験し、その後日本人選手通訳も担当。4球団で合計7年間、メジャーリーグの世界に身を置く。2015年からは拠点を日本に移し、主に海外スポーツ中継に携わるフリーランスの翻訳家、さらにはフリーライターとしても活動中。


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