「リバプール×スタンダードチャータード銀行」によるスポンサーシップの生かし方とは?
2016年11月16日 コラム スポンサーシップ/パートナーシップ Written by SPODIGI
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今回は、リバプールの胸スポンサーを務めるスタンダードチャータード銀行による、スポンサーシップのアクティベーション事例を紹介します。多くの銀行金融グループがスポーツにスポンサードしていますが、その効果的な活用方法をリバプールとスタンダードチャータード銀行の例を挙げて考察します。
<参考記事>
※リバプールのスポンサー企業一覧をご覧になりたい方はこちらから
⇒http://www.sponsorship-activations.com/premier-league/liverpool/
(出典:スポーツ×スポンサー辞典『「リバプール×スタンダードチャータード」銀行によるスポンサーシップの活かし方とは?』2016年11月7日)
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出典:Standard Chartered and LFC join forces to tackle avoidable blindness|リバプールFC HP
■スタンダードチャータード銀行とは?
スタンダードチャータード銀行はイギリスのロンドンに本社を構える、世界70カ国で展開する国際銀行金融グループです。特に、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、アフリカ地域で収益をあげています。
スタンダードチャータード銀行は2010年7月からリバプールのスポンサーを務めています。また、2015年に契約を延長し、2018-19シーズンまでスポンサーを務めることが決定しています。
また、月に一回ファン投票で決まる「スタンダード・チャータード・プレーヤー・オブ・ザ・マンス(月間最優秀選手)」を実施しています。賞の名前にブランド名を組み込むことで、ブランド名の認知度向上を図っています。
スタンダードチャータード銀行はリバプールのスポンサーとしての権利を活用し、どのような活動を行っているのでしょうか? CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)活動に絡めたある事例をご紹介します。
■Seeing is Believing(視覚障がい者支援プログラム)
スタンダードチャータード銀行は2003年から、視覚障がい者を支援するプログラム「Seeing is Believing」というCSR活動を行っています。これまでにアジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカなどの地域で5300万人以上(2014年10月時点)の視覚障がい者を支援してきました。
スタンダードチャータード銀行は、Seeing is Believingの活動をさらに認知させるために、リバプールと協力し年に一回「パーフェクト・マッチ」というものを行っています。この試合では、プレミアリーグの試合でユニフォームの胸ロゴを、銀行ロゴから「Seeing is Believing」のロゴに変更します。今年の10月17日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦で行われました。
また、チャリティーオークションも行われ、「Seeing is Believing」のロゴが入ったユニフォームに選手たちがサインをしたものが出品されます。その収益が支援金として視覚障がい者に寄付されます。
このようにスタンダードチャータード銀行は、Seeing is Believingの活動をリバプールと協力して広めています。
■CSR活動の認知度向上=ブランドイメージ向上
CSR活動は多くの企業で実施されています。もちろん、CSR活動を行うこと自体がとても意義のあることで、大規模な企業には率先して行っていってほしいです。
しかし、そうしたCSR活動が消費者にきちんと認知させるのは難しいです。露骨にプロモーションなどをすると、逆にブランドイメージを損ねてしまう可能性もあります。自然な形で、消費者に自社で行っているCSR活動を認知してもらうことができれば、その企業のブランドイメージの向上につながります。
そうした意味で、リバプールとスタンダードチャータード銀行が行っているSeeing is Believingはスポーツの強みを生かした優れた宣伝をしています。
プレミアリーグは世界で一番人気のリーグといっても過言ではありません。世界各国で試合が配信されるためその宣伝効果は大きいです。そのような舞台でロゴを変えたユニフォームで選手たちがプレーすることで、Seeing is Believingの認知度を世界中で高めることができます。
多くの人の注目を集めるスポーツを活用することで、自社で行っているCSR活動を宣伝することができます。これもスポンサーシップのアクティベーションを通してできることの一つです。
■ブランドイメージの向上は銀行においても重要
食品や自動車などのメーカーと比べると、銀行や金融企業はスポンサーシップのアクティベーションが難しいかもしれません。しかし、今回ご紹介したリバプールとスタンダードチャータード銀行のように、自社のCSR活動を宣伝する目的でスポーツを活用することができます。
消費者が銀行を選ぶ際に決め手となってくる要素は多くありますが、ブランドに対して良いイメージを持っている方が有利です。好きなチームにスポンサードしているから、CSR活動をしていてイメージがいいから、こうした要素を考慮して銀行を選ぶ人もいるでしょう。
スタンダードチャータード銀行の収益の多くは、熱狂的なプレミアリーグファンの多いアジア太平洋地域からもたらされています。自社のターゲットとする地域でのブランドイメージ向上を図る上で、その地域で人気のものと絡めることで効果的にアプローチすることができます。
一見関連性が薄いように見える銀行とスポーツですが、その可能性はまだまだあります。リバプールとスタンダードチャータード銀行のような事例が、これからも増えていくことを期待したいです。
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【了】
記事提供:スポーツ×スポンサー辞典
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スポンサーシップの権利活用(スポンサーシップのアクティベーション)を題材にした、スポーツビジネス・マーケティングの実例記事を掲載。
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http://www.sponsorship-activations.com/
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