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コメディー×スポーツ! SAMSUNG(サムスン) がオリンピックで魅せる「School of Rio」キャンペーン

2016年10月08日 コラム Written by SPODIGI

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 SJNでは、スポーツにスポンサーする企業を、チーム、コンペティションごとにまとめたウェブサイト「スポーツ×スポンサーシップ辞典」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 今回は、オリンピックのワールドワイドパートナーである、韓国の総合電機メーカー「SAMSUN(サムスン)」によるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。サムスンの契約カテゴリーはWireless Communication Equipment(ワイヤレスコミュニケーション設備)です。サムスンはリオ・オリンピック&パラリンピックに際して、スポンサーとしての権利を活用しユニークなキャンペーンを仕掛けました。

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(出典:スポーツ×スポンサー辞典「コメディ×スポーツ!Samsung (サムスン) がオリンピックで魅せる「School of Rio」キャンペーン」2016年9月29日)


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■サムスンによるスポンサー活動

 サムスンは昨年イギリスで開催されたラグビーワールドカップなど、多くのスポーツと関わり、スポーツマーケティングを行ってきました。

 今回のリオ・オリンピックでは、多くの企業が“オリンピック”だけのスポンサーを務める中、サムスンはパラリンピックのワールドワイドパートナーも務めた数少ない企業です。

 上記の表のように、オリンピックにスポンサードする企業の方が多く、オリンピックとパラリンピックの両方でワールドワイドパートナーとなっているのはサムスンを含めて4社しかありません。<Atos(フランスの情報技術企業)、Panasonic(日本の総合電機メーカー)、SAMSUNG(韓国の総合電機メーカー)、VISA(アメリカのクレジットカード)の4社>

 今回のリオ・オリンピック&パラリンピックに際して、サムスンはさまざまなキャンペーンやプロモーションを実施し、また自社製品をアスリートに提供するなど多角的にスポンサーとしての権利を活用しています。今回はその中でも「School of Rio」と名付けられた、ちょっとユーモアのあるキャンペーンをご紹介します。


■「School of Rio」キャンペーンとは?

 このキャンペーンはTeam GB(オリンピック&パラリンピック イギリス代表)と組んで行われました。主人公はイギリスで有名なコメディアンであるJack Whitehall(ジャック・ホワイトホール)。このプロモーションはこのジャックがアスリートからスポーツを学ぶという内容です。

 まずはどのような内容なのかビデオをご覧ください。(英語)


 スイミングパンツを重ね着していたり、変な飛び込みをしたり、失礼なことを言ったり、ちょっとシュールでコメディー要素があるビデオとなっています。そして最後にサムスンの製品が映し出されます。

 この「School of Rio」キャンペーンは、海外各紙で優れたキャンペーンとして取り上げられました。アメリカの大手PR企業であるWaggener Edstrom Communications(WE)によると、サムスンはオリンピック&パラリンピック期間中、ワールドワイドパートナー企業の中で、「一番多くの話題を集めた企業」であると述べられています。

 どのような点が優れているでしょうか?大きく3点が挙げられます。

1.イギリスの人気コメディアンの起用

 このキャンペーンはイギリスのオリンピック選手団と組んだものであるたため、イギリス国内に最も反響があったでしょう。さらにイギリスで有名なコメディアンであるジャックを起用することで、オリンピックに興味のある人々に加えて、ジャックのファンの人々にもアプローチを図っています。

 ジャックのTwitterのフォロワー数は513万1692人です。これは日本の芸人フォロワー数ランキングで2位の松本人志(411万1516人)よりも多い数字です。(1位は有吉弘行の609万2141人。2016年9月29日現在)

 国民的コメディアンを起用することで、スポーツとコメディーという一見つながりの薄そうな分野を結び付けています。そうしてスポーツとコメディーに興味を持っている潜在層へのアプローチを可能にしています。あえて、アスリートではなくコメディアンを起用するサムスンの巧みな戦略です。

2.プロダクトのプロモーション

 このキャンペーンはただのコメディー要素のあるプロモーションビデオではありません。サムスンがアピールしたい自社製品の強みをもとに制作されています。今回ご紹介したパラリンピックのスイミング選手とのビデオでは、「Resilience(回復力)」がテーマです。

 彼女たちがいかにResilienceを鍛えているのかを紹介し、彼女たちと同様にサムスンの製品も水を受けても耐えられるだけのResilienceがあるということをアピールする狙いが見て取れます。

 このように、自社製品の強みを選手の強みと重ね合わせることで、普通とは異なる手法で製品のプロモーションを可能にしています。

3.ラグビーワールドカップからの継続

 実はこのプロモーション、今回のオリンピックが最初ではありません。2015年にイギリスで開催されたラグビーワールドカップでも、「School of Rugby」と名付けた同じキャンペーンをサムスンは実施しています。

 手法も同じで、ジャックを起用し、製品のプロモーションを同じように行いました。ラグビーはイギリス含め全世界で極めて人気の高いスポーツです。この「School of Rugby」も大きな反響を生み、今回のリオでも引き続けて行う戦略をサムスンは取りました。

 同じ内容のキャンペーンを2つの大会で継続して行うことで、「ジャックが出ているあのちょっと面白いキャンペーンをやっているのはサムスンだ!」というブランドイメージを定着させる狙いがあると見て取れます。

 2つの大会を分けて考えるのではなく、継続したストーリーを伝えていくことで、結果としてブランディングにつなげるサムスンの優れたマーケティング手法です。


■スポンサーシップのアクティベーション手法は無限大

 今回ご紹介したサムスンによるスポンサーシップのアクティベーションは、コメディアンの起用、ラグビーワールドカップからの継続など、これまでにあまり見られなかった手法が用いられています。オリンピックに関連するマーケティングにはさまざまな制約がありますが、ルールに沿って行えばその可能性は無限大です。

 サムスンは2020年の東京オリンピックでもスポンサーを務めることがすでに決定してします。サムスンが今後どのようなスポンサーシップのアクティベーションを見せてくれるのか、これからも注目です。

【了】

記事提供:スポーツ×スポンサー辞典

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デジタルマーケッターが運営する、スポーツとスポンサーに焦点を当てたウェブサイト。
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