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サウジアラビアのオイルマネーでボクシング界に新リーグ創設か!?

2024年11月04日 コラム Written by 川内 イオ

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巨額のオイルマネーをサッカー、ゴルフ、テニス、モータースポーツなどに投じているサウジアラビアの政府系ファンド、公的投資基金(PIF)が、ボクシングにも手を伸ばしている。主導しているのは、サウジアラビア娯楽庁の長官で、世界的なボクシングのプロモーターとしても名をはせるトゥルキ・アラルシク氏だ。

同氏の意向によって、サウジアラビアは過去数年間、数々のビッグイベントを主催してきた。昨年12月、ヘビー級のトップファイターが集った「Day of Reckoning」(「最後の審判」)はサウジアラビアの首都リヤドで開催され、今年9月21日には、ロンドンのウェンブリー・スタジアムに9万6000人の観客を集め、「リヤド・シーズン:ウェンブリー・エディション」と銘打ったアンソニー・ジョシュア対ダニエル・デュボアの世界ヘビー級タイトルマッチもプロモートしている。

トゥルキ・アラルシク氏は、マッチルーム・ボクシングやゴールデン・ボーイ・プロモーションズなど、ボクシング界の大手プロモーターと連携し、トップレベルのボクサーを集めた新リーグの創設に動いていると報じられている。アメリカを中心に世界各国で興行を行う総合格闘技アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)と同様のスタイルで興行を計画しているようだ。

2015年にはアメリカで「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ」というUFCのボクシング版ともいえる団体が設立され、6億ドルから7億ドルを投じたとされるが、ボクシング界の4つの主要世界団体の人気には遠く及ばない。トゥルキ・アラルシク氏の剛腕によってボクシング界に新たなリングが立ち上がるのか、目が離せない。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl


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