大学女子バスケット界のスーパースター、ケイトリン・クラークの動向に全米が注目!
2024年03月29日 コラム アスリートマネジメント/セカンドキャリア Written by 川内 イオ
アメリカでは今、一人の女子バスケットボール選手が脚光を浴びている。アイオワ大学でプレーするケイトリン・クラークだ。
ケイトリン・クラークは、全米大学体育協会(NCAA)の主催で、大学女子バスケットボールナンバーワンを決めるNCAA女子バスケットボールトーナメントで旋風を巻き起こしている
183センチの4年生ポイントガードは、今年2月に大学通算得点で女子歴代トップ(3528点)に立った。さらにアシスト数でも、今シーズンのNCAA女子バスケットボールトーナメントが開幕した時点で史上3位(1092本)の記録を持っているモンスターレベルの選手だ。
注目度の高さも、計り知れない。今年3月にFOXスポーツで放送されたアイオワ大学対オハイオ州立大学の試合は、平均視聴者数339万人、後半には最高の442万人に達した。この対戦は、1999年以来、女子大学バスケットボールのレギュラーシーズンで最も注目された試合となった。アイオワ大学が93-83で勝利したこの試合でクラークは35得点を記録し、ついに全米大学体育協会(NCAA)1部における男女両方の通算得点で歴代トップに立っている。
ケイトリン・クラークは大学卒業を待たず、全米女子バスケットボール協会(WNBA)のドラフトへの参加を宣言。WNBAの最高マーケティング責任者フィル・クック氏は、全体1位指名が確実な若きスーパースターに関して、「タイガー・ウッズがPGAツアーに参入する瞬間」と表現した。1996年、全米アマで3連覇した後、スタンフォード大を中退してプロに転向したタイガー・ウッズの動向は当時、全米の注目の的だった。そのレベルのインパクトということだ。
WNBA は今年初めて、4月16日に行われるWNBAドラフトをファンに解放。1000枚以上用意した有料チケットは、15分で完売した。フィル・クック氏は、テレビ視聴者数が100万人を超えると予想している。WNBAのインディアナ・フィーバーは2年連続でドラフト1位指名権を獲得し、ケイトリン・クラークを指名するのが確実。各放送局は、インディアナ・フィーバーの放映権を獲得するために動き始めているという。
ケイトリン・クラークのフィーバーはしばらく続きそうだ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl
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