スポーツ界で影響力を強めるサウジアラビアの公的投資基金(PIF)が、ラグビーにも投資か!?
2024年02月07日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
![](https://d2a0v1x7qvxl6c.cloudfront.net/files/sbo.cs-park.jp/report/484/127156307665bc6c560aecf.jpg)
イングランド・プレミアリーグ(サッカー)のニューカッスル・ユナイテッドを所有し、ゴルフ、総合格闘技、モータースポーツなどにも投資しているサウジアラビアの公的投資基金(PIF)。
2022年の運用資産額が約85兆5150億円ともいわれるPIF は2023年6月、サウジ・プロフェッショナルリーグの強豪4クラブ、アル・ナスル、アル・イテハド、アル・ヒラル、アル・アハリを買収した。その圧倒的な資金力によって、クリスティアーノ・ロナウド(推定年俸2億2000万ドルでアル・ナスルに移籍)をはじめとしたスター選手のサウジリーグへの移籍ラッシュを生み出した。
さらにテニス界への進出もうわさされるなどスポーツ界への影響力を強めているPIFが、今度はラグビーへ触手を伸ばしているようだ。現地メディアは、総額6000万ポンド(7580万米ドル)相当の投資に関して、PIFとイングランドのプレミアシップ・ラグビーに所属する4クラブが協議を行ったと報じている。
プレミアシップ・ラグビーは、1987年に始まったイングランドのトップリーグで、12チームが参加する。過去1年の間に3クラブが破産しており、財政状況に余裕はないようだ。
今回、PIFとの協議に臨んだのはグロスター、レスター・タイガース、ノーサンプトン・セインツ、ニューカッスル・ファルコンズとされる。この協議では、チームへの投資に加えて、スタジアムの命名権や、サウジアラビアにラグビーアカデミーを設立することについて話し合われたようだ。
ラグビーフットボール協会 (RFU) の規則ではクラブの所有権の 10%以下の変更には運営団体の同意は必要ないとされており、今後のPIFの動向に注目が集まる。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『稀食満面 そこにしかない「食の可能性」を巡る旅』が発売。https://amzn.to/3UBIJxl
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