読書を愛するNFLのスター選手 私営ブッククラブを立ち上げ
2016年05月14日 コラム ファンサービス/ファンマネジメント Written by 川内 イオ
近年、選手がSNSなどを利用してファンと直接コミュニケーションを取ることは珍しいことではない。日本でも、ちょうど1年前、ダルビッシュ有が月額1万1000円の会員制SNSを始めて、話題になった。
このSNS全盛の時代に、NFLのインディアナポリス・コルツでクォーターバックを務めるスター選手、アンドリュー・ラックが、これまでにない取り組みを始めた。
4月27日、A・ラックは、自分自身が主催するブッククラブ、いわゆる読書サークルを立ち上げることを明らかにしたのである。ブッククラブといっても、さすがにA・ラックと一緒に本を読むというわけではなく、「www.AndrewLuckBookClub.com」というサイトを中心にした活動だ。ツイッター、インスタグラム、そしてフェイスブックページと連動しており、サイトには「読書を通してチームをつくろう」と記されている。
4月1日のエイプリルフールなら冗談だと思われそうな話だけに、アメリカでも大いに話題になっており、多くのメディアが取り上げている。インディアナポリス・コルツの公式ホームページでも「アンドリュー・ラックがブッククラブをスタート」と紹介されているように、本人は大マジメなのだが、有力紙「ワシントン・ポスト」は、わざわざ「アンドリュー・ラックのブッククラブは本当の話」という記事を掲載したほどだ。
それにしても、なぜNFLのスター選手が読書サークル? と誰もが思うことだろう。
答えはシンプル。A・ラックはもともとフィクションも、ノンフィクションもこよなく愛する読書家で、いつもチームメートに本を勧めていて、本人いわく「チームの非公式司書と言われていた」そう。そして、以前からブッククラブを始めようと考えており、ようやくそのタイミングが来たということだ。
オープンしたばかりのサイトでは、「ルーキー」と「ベテラン」という2つのカテゴリーで、それぞれ『Maniac Magee』、『The Boys in the Boat』という本が紹介されている。ルーキーは、A・ラックが若い頃に読んだお気に入りの本、ベテランは大人になってから面白いと思った本。
インディアナポリス・コルツの公式サイトには、A・ラックがサイトを通して本を勧めるだけでなく、ブッククラブのメンバーと本についてのチャットをしたり、Q&Aセッションをすると記されており、単なる会員サイトとはまた違った活動になりそうだ。
このブッククラブ自体は純粋にA・ラックの個人的な活動で今のところ完全無料だが、影響力の大きいスター選手だけに、出版社は恐らく、何かコラボレーションできないか、今頃必死にアイデアを絞っていることだろう。
A・ラックにとっても、「無類の読書好き」としてブッククラブを運営していることはクリーンなイメージにつながり、広告などを得やすくなるはずだ。
日本でも、読書家のスポーツ選手がいるなら、始める価値のある活動と言えるだろう。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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