16~18歳の米プロバスケットボールリーグ「オーバータイム・エリート」のユニークな取り組み
2022年03月08日 コラム 育成,教育/スクール産業 Written by 川内 イオ

16歳から18歳までの選手のみを対象とするプロバスケットボールリーグ「オーバータイム・エリート(OTE)」が、昨年10月に開幕した。
このリーグはアトランタに拠点を置き、独自のアリーナで試合が開催される。アメリカ、スペイン、ベルギー、ドミニカ共和国などから集まった27人の選手たちは、10万ドルの給料を得ているプロだ。9人ずつ3チームに分かれて試合が行われ、シーズン終了後にはトップチームの各メンバーに、さらに1万ドルが支払われる。
アリーナを含む複合施設には、個人の居住スペースと教育プログラムを受けるためのスペース、トレーニング施設が設けられている。
OTEは育成リーグで、選手たちは大学に入らず、直接、NBAのドラフトやNBAのGリーグなどでチャンスを得るためにトレーニングを積み、試合に出場する。しかし、選手がプロの道を歩まない場合には、大学進学のための費用として10万ドルをリーグが追加で支払うそうだ。
昨年10月29日の開幕戦では、アリーナの1222席が完売し、順調な滑り出しを見せた。OTEは今後、リーグの拡大を目指すとしている。
OTEは主にインスタグラム、TikTok、YouTubeチャンネルを駆使したマーケティングを展開。試合をライブ配信するだけでなく、インスタグラムとTikTokでは、全試合を1分で振り返るハイライトを流し、YouTubeでは、ゲーム終了後に1試合を30分から50分に短縮してまとめたものを流している。さらに、YouTubeでは毎週、選手の舞台裏シリーズを配信している。1月のデジタルプラットフォームでの再生回数は24億回で、2カ月連続で20億回を超えた。
OTEはさらに、Meta社と提携し、ファン向けの没入型コンテンツとしてバーチャルリアリティー(VR)でダンクショーを提供する予定。OTEの選手が大胆なショットに挑戦し、それをQuest 2ヘッドセットを通して、VR体験する。今後は、Meta社のメタバースイベントプラットフォーム「Horizon Venues」で、トレーニングの舞台裏やチームの朝食の様子なども公開される予定だ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ』(文藝春秋)が発売中。https://www.amazon.co.jp/dp/4166613367/
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