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世界2位の競技人口を誇る隠れたラグビー大国アメリカでラグビーのプロリーグ開幕!

2016年05月21日 コラム Written by 川内 イオ

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 アメリカでは、4大スポーツと呼ばれるバスケットボール、野球、アメリカンフットボール、アイスホッケーの他にも、サッカーはもちろん、インラインホッケー(ローラーホッケー)、ラクロス、ソフトボール、アリーナフットボール(室内版アメリカンフットボール)など多数のプロリーグが存在する。
 このスポーツ大国で、4月17日、15人制のプロラグビーリーグが初めての開幕を迎えた。ラグビーは欧州では人気プロスポーツだが、アメリカではアメフト人気におされ、これまでプロリーグは存在しなかったのである。
 プロ化の背景には、ラグビー人口の急増がある。アメリカのラグビー協会が2008年から普及活動に力を入れ始めると瞬く間に競技人口が増加。ラグビーの国際組織であるワールドラグビーの発表では、2011年のランキングで世界3位となる約46万人に、そして2014年にはトップのイングランドの205万人に次ぐ、約150万人にまで達しているのだ。世界2位の競技人口を持ちながら、今までプロリーグがなかったことの方が驚きである。

 昨年、プロリーグ発足の情報が解禁された時点では6チームが参加するとされていたが、今シーズンは5チームでスタート。7月末までほとんどの週末に2試合が行われ、1シーズンで1チームあたり計12試合のリーグ戦(3回戦総当たり制)となる。開幕を報じた有力紙『ニューヨークタイムズ』によると、アメリカ人のラグビーファンにウケるように、サドンデスの延長戦を設けるなど国際ルールからいくつかの変更が加えられているようだ。

 アメリカのラグビー界において記念すべき開幕戦は、華々しい船出とはならなかった。17日にデンバーとサクラメントで開催された2試合では、それぞれの観客数が2300人、3400人。常に数万人が押し寄せるアメリカの4大スポーツと比べるとかなり寂しい数字だが、『ニューヨークタイムズ』は、リーグ関係者はシーズン平均で3000人から4000人の観客を見込んでおり、ファーストステップとしては上々だと感じていると報じている。
 確かに、メジャーリーグサッカー(MLS)で現在平均4万人を超える集客力を誇るシアトル・サウンダーズのMLS開幕当初の観客数が2000人程度だったことを考えれば、平均3000~4000人は悪くない数字だ。

 約150万人という競技人口を考えると、アメリカのプロスポーツ界が得意とするマーケティングを駆使して、今後、飛躍的に観客数を増やすことも可能だろう。
 ちなみに、日本のラグビートップリーグの2015‐16シーズンは、1試合平均6470人とそれほど多くない。アメリカのプロリーグが日本のトップリーグを上回る盛り上がりを見せれば、近い将来、日本の選手がアメリカに移籍することも増えそうだ。

【了】


川内イオ●文 text by Io Kawauchi

1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。


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