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インド人F1レーサーの登竜門に!? 国際自動車連盟がインドで新たなレースを開催

2021年09月10日 コラム Written by 川内 イオ

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2020年、モータースポーツの最高峰であるF1のユニーク視聴者数は前年比8%減の4億3300万人、累積テレビ視聴者数は2019年の19億人から15億人に減少した。これはパンデミックにより、レース数が21から17に減少したことが影響したとみられるが、F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、新たなファン層の開拓に手を打っている。

2022年2月25日から27日にかけて、FIAが公認する2つのレースがインドで開催されると発表された。予定されているのは、F3マシンを使用するフォーミュラ・リージョナル・インド選手権とF4マシンを使用するF4インド選手権。会場には、2011年から2013年までF1インドGPを開催した首都デリーのブッダ・インターナショナル・サーキットのほか、チェンナイ、コインバトール、ハイデラバードの4都市が予定されている。

2つのレースのアドバイザーとして、インドの伝説的クリケット選手カピル・デヴ、インド人初のF1ドライバーであるナレイン・カーティケヤン、現役レーサーのアルマーン・エブラヒム、アディツア・パテルが名を連ねている。

F4シリーズのチャンピオンは、フォーミュラ・リージョナルの参加資格を獲得。フォーミュラ・リージョナルの優勝者は、F3アジア選手権への出場権を得る。両選手権の優勝者は、FIAが発行するモータースポーツライセンスのクラスの一つで、F1をドライブするために必要なスーパーライセンスポイントが与えられ、F1に向けてのキャリアを進めることが可能になる。

現地の報道によると、主催するRacing Promotions(RPPL)は使用する車と、インドで初めてFIAグレードのストリートサーキットとなるハイデラバードのインフラの整備に1億ルピー(1340万ドル)を投じている。

F1が2020年に発表したレポートでは、インドには3000万人を超えるF1ファンがいるとしている。ファンをさらに増やしたいFIA と、インド人ドライバーの発掘と育成を目標に掲げるRPPLの思惑が一致して、新しいレースの開催につながったとみられる。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『1キロ100万円の塩をつくる: 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人』(ポプラ新書)が発売中。https://amzn.to/2ZaM9Mz


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