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ドイツ4部クラブが「見えない敵」との架空試合で18万枚超のチケットを販売!

2020年06月03日 コラム Written by 川内 イオ

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新型コロナウイルスの影響で経営危機に陥ったサッカークラブが、ユニークな取り組みで運営資金を調達して話題になっている。

ドイツ4部リーグのクラブ、ロコモティーヴェ・ライプツィヒは、「見えない敵」と5月8日に対戦し、スタジアムからライブストリーミングすると発表。この試合の「バーチャルチケット」を1枚1ユーロ(約120円)で販売した。

見えない敵とは誰か最後まで明かされなかったが、チケットの収益はクラブの運営資金とすると公表した。そのため、ファンは見えない敵=新型コロナウイルスと理解したのだろう。最終的にチケットは18万2612枚売れて、2000万円を超える収益をもたらした。この取り組みはスタート時点から大きな話題を呼び、イギリスのゲーム製作大手Sports Interactive社もスポンサーについた。

迎えた5月8日、同クラブはスタジアムに照明を灯し、ドイツ語と英語で架空の試合の実況中継を行った。チームは5対0で勝利し、 「完全に圧倒された対戦相手がハーフタイムにタオルを投げた」とアナウンスされた。

同クラブは1987年にUEFAカップウィナーズカップ(その後UEFAカップ/現・UEFAヨーロッパリーグへと吸収)で準優勝した経験のある古豪で、同大会準決勝のホームでは、約12万人の観客を集めた。今回の取り組みでは、この数字を上回ることを目標に据え、見事にチケット販売のチーム記録を大幅に更新した。

ちなみに、近年は成績が低迷し、今季最も観客が入った試合で4498人、1試合の平均収入は約3万ユーロ程度だった。今回の取り組みによって、リーグ再開後にどのような効果、変化が表れるのか、気になるところだ。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(文藝春秋)が発売中。https://amzn.to/2MKcg7g


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