2シーズン目を迎えるカナディアン・プレミアリーグに、アトレティコ・マドリード参入!?
2020年02月07日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
昨年4月、カナダ初のプロサッカーリーグ「カナディアン・プレミアリーグ(CPL)」が開幕した。初年度、参加したのはカバルリーFC、FCエドモントン、HFXワンダラーズ、バラーFC、ヨーク9FC、フォージFC、パシフィックFCの7クラブだ。
CPLは、2026年のFIFAワールドカップ カナダ・メキシコ・米国共催に向けてスタートした。カナダにも、アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)に所属しているプロクラブ(トロントFC、バンクーバー・ホワイトキャップス、モントリオール・インパクト)があるものの、アメリカ人選手が多く、カナダ人選手の強化にはつながっていなかった。そこで、カナダ人選手がプレーする場をつくる目的で、CPLが創設されたのだ。そのため、チーム登録選手の50%はカナダ人で、先発11人中6人はカナダ人選手を起用しなければならないという規約がある。
最初のシーズン、3クラブが平均5000人以上の観客を集めており、カナダのメディアはおおむね「成功した」と評価している。
4月に2年目を迎えるこのCPLへの参入を狙っていると報じられているのが、北米地域でのファンの獲得、認知の拡大を目指すスペインの強豪クラブ、アトレティコ・マドリードだ。同クラブは、実質、MLSの2部リーグに当たるUSLプロフェッショナルリーグに所属していたものの、USLのフランチャイズ権をマイアミFCに売却して、2019年に解散したオタワ・フュリーFCに目をつけている。
オタワ・フュリーFCは昨年まで、2万4000席の観客席を持つホームスタジアムでプレーしており、復活させればすぐにでもCPLに参戦できる設備を有している。オタワはカナダの首都で、注目度も高いため、アトレティコ・マドリーの北米地域でのマーケティング戦略に合致しているようだ。報道では、2020年の後期シーズンの参入を目指すとされる。
同クラブは、2017年にメキシコリーグのクラブ、サンルイスの株式の過半数を取得しており、現在はアトレティコ・サンルイスとしてメキシコリーグに所属している。同じように、CPLにもアトレティコ・オタワFCが誕生するかもしれない。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(文藝春秋)が発売中。https://amzn.to/2MKcg7g
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