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スニーカーを愛するテニス界の皇帝ロジャー・フェデラーが、ランニングシューズブランドの経営に参画!

2019年11月30日 コラム Written by 川内 イオ

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 20回のグランドスラム制覇を誇り、テニス界の皇帝とも称されるロジャー・フェデラー。メルセデス・ベンツ、ロレックス、クレディ・スイス(金融機関)、日本のユニクロなどとスポンサー契約を結び、今年だけで推定8600万ドルの収入を得ているテニス界のレジェンドが、スイスのランニングシューズメーカー「On」の株式を購入し、経営に参画した。

 金額は明らかにしていないが、フェデラーは「(投資を)慎重に検討しなければならかったほど、十分に大きな金額」とコメントしている。

 フェデラーはスニーカー好きで、250足を超えるスニーカーを保有していると公言している。その情熱を、「On」の経営とシューズの開発に注ぐようだ。前述したような、企業が選手に資金を提供するスポンサー契約ではなく、フェデラーは「On」から報酬もボーナスも受け取らない。一般的な投資家とスタートアップの関係と同じように、「On」の成長に応じてフェデラーへの報酬が支払われる。

「On」は9年前に設立されたベンチャーで、デュアスロンとアイアンマンレースの世界チャンピオン、オリヴィエ・ベルンハルドを含む3人が共同経営者を務める。「CloudTec」というソールのクッション性に関する特許技術を有しており、売り上げが推定2億ドル、従業員500人と急成長しているブランドだ。同社によると、50カ国以上で販売され、これまでに700万人以上のランナーが「On」のシューズを購入している。

 海外メディアによると、来年にはフェデラーがプロデュースしたシューズがリリースされる見通し。「On」の投資家、パートナー、開発者としてフェデラーがどのような活躍を見せるのか、今後に注目だ。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(文藝春秋)が発売中。https://amzn.to/2MKcg7g


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