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企業とアスリートの関係 vol.4「アイリスオーヤマ」

2019年09月17日 インタビュー Written by Sports Japan GATHER

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 SJNでは、アスリートのための、応援メディア「Sports Japan GATHER(ギャザー)」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ、そしてアスリートに注目が集まる中、企業とアスリートの関係にも変化が生まれています。双方にとってメリットのある関係を築くために、何が必要なのでしょうか? 

 特集「企業とアスリートの関係」では、選手やスポーツ事業を支えている企業人に話を聞いていきます。

 今回は、現在6名の現役アスリートを雇用している「アイリスオーヤマ」。長年、人事部の責任者としてアスリートの採用に携わり、現在、購買部部長を務める倉茂基一氏に話を聞きました。

(出典:Sports Japan GATHER『企業とアスリートの関係 -Vol.4-「アイリスオーヤマ」』2019年3月26日)

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■限られた時間の中で仕事を終える“アスリートの集中力”

 2003年からアスリートを雇用した中で、一番のメリットとなっていることを倉茂氏に聞いた。

「アスリートが努力をして結果を出す姿を社員が間近で見られることです。ボート部の選手たちは、日本代表として五輪に出場する為に練習をしていますが、国内大会にも出場し優勝・上位成績を残せば、全社員がいる朝礼の場で、社長から表彰されます。努力をして、結果を出すというプロセスを身近な人から感じ取れる。それが社員に刺激を与えています」

 倉茂氏の部下として働いていたのが岩本。実際、どのような仕事を任されていたのか。

「朝夕と毎日練習があったので、出社しても15時ごろには退社していました。そして、出社できるのも年間数日という中で、書類を仕分けしたり、データを入力したり、そういう簡単な仕事しか任せられなかった。しかし、集中力がとても凄かったんです。岩本は、勤務時間中にまったく休憩せず、与えられたタスクを退社時間までに“絶対に終える”という、気迫を感じました。同じ部署にいる社員への影響力も大きかったですね」

 競技で結果を残すことが一番だが、会社員として仕事をするときは、たとえ時間が短くても最大限のパフォーマンスを発揮する。それは、自身を採用しサポートをしてくれている人たちへの感謝の表れとなっている。では、アイリスオーヤマがアスリートを採用する基準はどのようなものだろうか。

「ボート部であれば、まず日本代表になりえるかどうか。そういう気構え、精神力を持っているかどうかです。もちろん採用試験に来る人は、国内レースで実績のある人ばかりですが、最後は五輪に出場できるかどうかを確認します。加えて、仕事の能力というよりも、弊社の社風にある『チャレンジ精神』のマインドを持っているかどうかも重要になります。“私はスポーツしかできません”というわけにはいきません。どんなことでもいいので、他の社員から吸収して、同様の仕事ができるようになりたいという気持ちを持っているかも重要です」

■体育会系学生を対象にしたアスリートコースを設立

 前途にしたように、アイリスオーヤマは、マイナビベガルダ仙台レディースに所属する女子サッカー選手の雇用も行っている。

「2004年から、ベガルダ仙台のメインユニフォームスポンサーを行っていまして、今度はレディースを作るという話を聞きました。レディースのメンバーは、プロとはいえチームからもらえるお金だけでは生活するのに厳しく、仕事をしつつ練習と試合に参加するというスタイルを余儀なくされています。ですから、ベガルダ仙台の方が、スポンサー企業などを中心にまわって、レディース選手の雇用をお願いしていました。それでしたら、協力しようということになり、2012年から採用を開始しました」

 マイナビベガルダ仙台レディースの選手たちは、ボート部と違い基本的に火曜日~金曜日の4日間、9時~13時まで働き、その後練習に向かう。現在の勤務先は、アイリスオーヤマのグループ会社『アイリスプラザダイシンカンパニー』が経営するホームセンターで、店舗スタッフとして働いている。

「就労の時はボート部の選手と同様に、限られた時間の中でしっかりと働いてくれています。そして、雇用をしてもらっているという感謝の気持ちも凄く強いんです」

 現在6名のアスリートを雇用。今後、さらにアスリートを採用していく予定はあるのだろうか。

「ボート部でいえば、やはり五輪が狙える実力があれば採用します。年に一人いるかいないかといった感じでしょうか。また、新卒の大学生を対象とした『アスリートコース』というものがあり、大学時代に体育会の活動で全国レベルの成績を収めた方を優先して、採用していくコースを設けています」

 アスリートの集中力や勤勉さを目の当たりにしてきたこと。そして、大学時代に国内トップレベルで活躍してきた選手が入社し、その人たちが営業成績をグングン伸ばしている姿を見て、2015年にアスリートコースを設立したという。

 アイリスオーヤマは体育会系気質の企業で、しっかりとした挨拶や礼儀を重んじる。そして、年功序列ではなく実力主義で、自身の評価を上げていけば、重要なポジションも数年で任せられることになる。スポーツでも先輩後輩関係なく、実力があればレギュラーの座を勝ち取れる。そういう意味では、体育会の組織で育ってきた人が、結果を出しやすい環境である事は間違いない。

 現役そして体育会系の学生と、幅広く採用を実施しているアイリスオーヤマ。アスリートの価値をきちんと見極め、会社の戦力として十二分に活かしている。今後もさらにアスリートが活躍できる企業のロールモデルとなっていくことを期待したい。

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アイリスオーヤマ
1971年4月に設立。家電・日用品を中心に取扱商品数約2万3000点、グループ売上高は4700億円を超えるグローバル企業。2000年より、サッカーJ1・ベガルタ仙台公式ユニフォームに会社のロゴを掲出。また、2008年よりプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの公式ユニフォームのスポンサーになるなど、スポーツで地元・仙台やゆかりのある地域を応援している。
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【了】

取材・文=太田弘樹
記事提供:Sport Japan GATHER

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<Sports Japan GATHER(ギャザー)とは?>
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『アスリートのセカンドキャリア』『スポーツに携わる仕事』など、スポーツに関わる人の人生などを紹介。

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