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元アスリートが語るスポーツの仕事「やる」から「つくる」へ-Vol.14- 元バスケットボール選手 伊藤俊亮さん(後編)

2019年04月08日 インタビュー Written by Sports Japan GATHER

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 SJNでは、アスリートとスポーツを愛する人でつくる新しいコミュニティーメディア「Sports Japan GATHER(ギャザー)」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 特集『元アスリートが語るスポーツの仕事 「やる」から「つくる」へ』では、元アスリートの方々にセカンドキャリアについて話を聞いています。

 今回は、バスケットボール選手を引退後、Bリーグの千葉ジェッツふなばしで事業部長を務める伊藤俊亮さんの登場です。

前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/282

(出典:Sports Japan GATHER『元アスリートが語るスポーツの仕事「やる」から「つくる」へ-Vol.14- 元バスケットボール選手 伊藤俊亮さん(後編)』2019年2月8日)

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「日本のバスケットボールに“観戦文化”を根付かせたい」

伊藤俊亮(いとう・しゅんすけ)さん/39歳
バスケットボール選手→千葉ジェッツふなばし事業部長

■SNSの活用が“ファン獲得&活性化”につながる
 16シーズンという長きにわたってコートに立ち続けた“イートン”こと伊藤俊亮さん。2017-18シーズン終了後に引退し、現在は最後にプレーしていた千葉ジェッツふなばし(以下、千葉ジェッツ)の事業部長に就任し、営業マンとして日々奔走している。

 活動内容としては法人営業がメインだが、他に広報・MD(マーチャンダイジング)・デザインといった役割も担っており、SNSを活用したPRも行っている。伊藤さんは、現役時代からツイッターを駆使し、ブースター(ファン)との交流を大切にしてきた選手。実際に2017-18シーズンの「ソーシャルメディアリーダー」に選ばれるほど、SNSで大きな影響を生み出しており、フロント側に回った現在も自身のアカウントによるツイートを継続している。

「今は非常に忙しくてツイートする頻度がガクッと落ちています(笑)。それでもブースターの皆さんは温かくも見守ってくださっていて、試合に関するツイートにもたくさんの“リプライ”や“いいね”が寄せられます。試合会場でも声を掛けてくださいますし、ブースターの方とは現場やSNSを通じて、現役時代と変わらず良好なコミュニケーションは取れています」

 引退してもブースターから愛され続ける伊藤さん。やはり、現役時代からSNSによる発信をしていた影響が大きいと話す。

「実際のプレーでもですが、ウェブからも自分のキャラクターづくりをしていくのは非常に効果的だと思うんです。というのも、SNSだと自分の声や気持ちがずっと文字として残るので、僕という一人の人間を理解してもらえますし、それに対して常に双方でコミュニケーションが取れる状態にあるので、『これを活用しない手はない!』と思うぐらい価値が高いと感じています。多くの方と直接やり取りをすることで、SNSからファンを獲得することができますし、僕自身、選手人生を終えた後でも変わらずに応援してもらっています」

 インターネットが普及していない時代では、選手とこれだけ気軽に交流できる機会は考えられなかった。しかし現在は、SNSを通じてファンは選手に声援を直接届けられるようになり、選手とファンの距離がこれまで以上に近づいた。それによって千葉ジェッツの試合には、地元だけでなく、全国から多くのブースターが詰めかけるようになったという。

「試合においても、実際に“九州から来ました”とか“北海道から行きます”というリプライをいただくことがあり、全国各地からホームである船橋アリーナに足を運んでくれるブースターが増えました。SNS上でならどれだけ遠くに住んでいても直接コミュニケーションが取れ、身近に感じてくれるので、遠方のブースターも『よし応援に行こう!』と、行動に移してくれます。競技に限らず、仕事というのは支えてくれるファンあってのことだと思うので、引き続きSNS上で交流を続けていきたいです」

■現役時代から何でも挑戦する姿勢を貫き通す

 伊藤さんは、2018年10月4日に行われたBリーグ開幕戦のパフォーマンスの中で、フロントスタッフとして大きな役割を果たした。当日は、千葉ジェッツとパートナー契約を結んでいるミクシィの「XFLAGスタジオ」(以下、XFLAG)の冠試合「XFLAG DAY」として開催。そのエンターテインメントの一つのコンテンツとして、5つのキャラクター(モッパー、郵便局員、解説者、グッズ販売員、マスク・ド・オッチー)に扮し会場を盛り上げる“イートン5”という企画を一人でやり切った。

「開幕戦は『何でもやります!』といったところ、出来上がった台本を見たらこのような演出になっていました(笑)。コートをモップがけしたり、郵便局員として自転車に乗ったりと、全てが新しい挑戦だったので、もうがむしゃらに取り組みましたね。でも、いろいろな経験ができましたし、試合後にはブースターから“よかったよ! お疲れさま!”と声掛けいただけたので、本当にうれしかったです」

 この試合で初めて選手ではなく運営側として携わった伊藤さん。外から見る景色というのは、本人の目からはどのように映ったのだろうか。

「仕事ではありますが、コートに立った瞬間、特別な感覚がありました。僕は引退したばかりなので、ほとんどのブースターからは選手として見られている感じでした。だからユニホームは脱いでも、まだ観客席から“イートン!”って大きな歓声をもらえたので、なんか得した気分にもなりましたね(笑)。このXFLAGさんの冠試合に関しては、半分は演者のような立ち位置ではあったんですが、運営サイドとしてゲームに関われた、という意味ではようやくスタートを切れた感じがします。営業もそうですけど、今後もこうした仕事をしていくことでチームの魅力を伝え、価値を上げていくことに貢献できるので、こういった企画にも再度挑戦していきたいです」

 2018年10月29日には、船橋税務署の広報大使に就き、同税務署が行う各種PR活動に協力。11月15日には『バスケットLIVE』のトーク特番『イートン&FukaのジェッツだZ!』に出演するなど、まさに“フロント”として最前線での活躍を見せている。こうして活動の幅を広げながら、着実にその地位を築き上げている伊藤さん。その経験から、セカンドキャリアを考える上で必要なことは何なのだろうか。

「まずはいろんなことに興味を持つこと。そして、興味を持ったことに対して挑戦できるチャンスが目の前に来た時、絶対につかみ取るという姿勢を持ち続けるべきだと思います。その挑戦が、今後どのようなことにつながるかは分からなくても、とりあえず一つの経験・スキルとして離さずに持っておいてください。いずれ、それが生きる場面や仕事に出くわすかもしれません。だから“これは自分の人生では必要じゃないな“と最初から決めつけるのではなく、取れるものは全て取っておいて、後々使えるタイミングを待つ、という考え方でいてほしいと思いますね」

 アスリートにおけるセカンドキャリアは、必ずしもその競技に携われるとは限らない。だからこそ、さまざまな経験・スキルを現役時代から身に付けておくべきだと、伊藤さんは考える。そして最後に、自身が描くバスケットボール界の未来について聞いてみた。

「フロントスタッフとしては、このBリーグや千葉ジェッツというチームが100年続くように尽力していきたいです。そのために、せめて10〜20年後にはバスケットボールを“観るスポーツ”として定着させなければいけません。家族で週末の数時間をどこで過ごそうと考えたときに、その選択肢の一つとして選んでもらうには、コンテンツとしてはまだ弱いと思うので。施策として例えば、今回の『XFLAG DAY』の取り組みの中で、会場に足を運べない方に向けて実施した、イオンモール幕張新都心と柏でのパブリックビューイングみたいなこととか。そういった試合を観て楽しめる企画を今後たくさん生み出して、バスケットボールにおける“観戦文化”を根付かせていきたいと思っています」

 バスケットボールを「する」競技者から、観戦する文化を「つくる」フロント側に回った伊藤さん。これから起こる出来事一つ一つが、日本のバスケットボール界発展へつながっていく。

<了>

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[PROFILE]
伊藤俊亮(いとう・しゅんすけ)

1979年6月27日生まれ、神奈川県出身。神奈川県立大和高校を経て、2002年中央大学卒業。現役時代は強靭な肉体と204センチの長身に走力を兼ね備えたフィジカルプレーヤーとして日本代表でも長きにわたって活躍した。2018年4月、千葉ジェッツふなばしでのシーズンを最後に現役引退。現在はフロントスタッフとして同チームを運営側から支えている。
HP:https://chibajets.jp/
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(※データは2019年2月8日時点)

【了】

取材・文=佐藤主祥
取材協力=スポーツ庁委託事業「スポーツキャリアサポート戦略における{アスリートと企業等とのマッチング支援}」

記事提供:Sport Japan GATHER

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