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中国市場で「体験」を売りにした施設を造る欧州ビッグクラブ マンUは2020年までに3カ所で施設をオープン

2019年02月05日 コラム Written by 川内 イオ

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 世界的な調査会社ニールセンによると、中国には1億8700万人のサッカーファンがいる。ヨーロッパのビッグクラブは、それぞれのアプローチでこの巨大なマーケットに触手を伸ばしている。

 SNSで中国に1億人以上のフォロワーがいるマンチェスター・ユナイテッド(マンU)は今年1月、中国にエンターテインメントと体験をテーマにした施設を造ると発表した。中国の不動産開発会社Harvesと共同で、2020年末までに北京、上海、瀋陽にオープンする予定。北京では、天安門広場と紫禁城に隣接するメジャーな通り「Dashilanストリート」でのオープンが予定されている。

 マンUは、その施設で「オールドトラフォードでの試合日のスリルを体験することができるだけでなく、クラブの歴史と遺産について学ぶことができる」としており、「最先端のテクノロジーを駆使したインタラクティブで没入型の体験」ができる施設、レストランとクラブストアが含まれると発表している。

 こちらは既報だが、アーセナルが上海に公式レストラン「Arsenal Club Shanghai」をオープンしたのは、昨夏。このレストランは香港、マカオ、台湾を含む中華圏の独占ライセンス契約を結んだ中国企業Super Halo Sports Culture Developmentが展開しているのだが、この最初のレストランの売り上げが好調で、上海の郊外にも同じレストランを開店。今後も数を増やしていく方針だ。

 昨年、パリ・サンジェルマン(PSG)も上海に「PSG パーク」をオープンしている。ショッピングセンターにあり、人工芝のある室内サッカー場、屋上のピッチ、ショップ、PSGをテーマにしたレストランとバーがあり、PSGの試合も観戦できる。中国に150万人のフォロワーを持つPSGは、この市場を開拓するために中国のeスポーツチームのスポンサーを務めている。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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