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女性限定のモーターレース「W Series」開幕に向けて55名をリストアップ 選抜テストで18名に絞り込み

2018年12月07日 コラム Written by 川内 イオ

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 女性レーサーによるモーターレースに、新たな歴史が刻まれる。今年10月、モーターレース史上初めて、女性レーサーだけのコンペティション「W Series」の開催が発表された。新シリーズの賞金総額は150万ドルで、18人の女性レーサーがF3相当のスペックを持ったレーシングカーで腕を競う。

 開幕に先立ち、レーサーの選抜テストが行われるのだが、世界から100人を超える女性が応募。「W Series」の主催者は、11月28日に応募者のなかから書類審査を突破した55名を発表した。

 国籍は30カ国にわたり、年齢も17歳から34歳と幅広い。なかにはこれまで男性レーサーと同じ舞台で戦ってきた女性レーサーも名を連ねている。そのひとり、現在20歳のイギリス人、ジェイミー・チャドウィックは16歳の時、2015シーズンの英国GT選手権で最年少優勝(もちろん史上初の女性王者)を飾った。現在はイギリスのF3選手権に参戦し、今年はF3選手権で初優勝を飾り、総合8位に入っている実力者だ。

 ほかに、かつてF1チームのロータスとルノーで開発ドライバーを務め、現在は国際自動車連盟でWomen in Motorsport Commissionを務めるスペインのカルメン・ホルダ、昨年、ルノーの若手ドライバーアカデミーに加入し、育成ドライバー契約を結んだ同じくスペイン人のマルタ・ガルシア、そして「F1を目指す」と公言している日本人の小山美姫も55名に入っている。

 55名から18名に絞るテストは、実際に「W Series」で使用されるレーシングカーを用いたトラックレストと、フィットネステスト、心理測定プロファイリングが行われる。試験官は元F1ドライバーのデビッド・クルサード、同じく元F1ドライバーで、1996年と2009年にル・マン24時間レースで優勝しているアレクサンダー・ヴルツ、マクラーレンでスポーティングディレクター、マノーでレーシングディレクターを歴任し、「W Series」のレーシングディレクターを務めるデイブ・ライアンが務める。

 歴史的なレースは来年5月3日にドイツのホッケンハイムで開催。優勝者には50万ドルが贈られる。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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