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世界初のテニスプレーヤー向けウェアラブル端末が登場! 伝説的名伯楽ともコラボレーション

2016年01月06日 コラム Written by 川内 イオ

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 ウェアラブル端末の登場によって、IT×スポーツの領域が拡大している。シリコンバレーのITベンチャー・TuringSense社は、世界で初めてテニスプレーヤーのためのウェアラブル端末「PIVOT」を公開した。
 これまで、テニスプレーヤーが自分のプレーを分析するためには、複数のビデオカメラと高価な分析システムが必要とされてきた。そこまで手間暇をかけることができるのはプロと一部のアマチュアだけだったが、TuringSense社はテクノロジーの力で一般的なプレーヤーでも簡単に、低価格で利用できる分析ツール「PIVOT」を開発したのだ。

「PIVOT」は体(あるいは衣服の上)に取り付けるセンサーによる高速360度フルボディモーションキャプチャー、高度な生体力学的分析、動作の3D化システムからなり、スイングを改善したり、ケガを防止するためにリアルタイムで生体力学的なフィードバックを提供する。この機器を身に着けると、プレーヤーは自分のフットワーク、体の位置、肘の曲がり具合、膝の曲がり具合などを分析できるようになる。

 TuringSense社は、これまでに10人の世界ランキング1位の選手を指導し、テニス界の伝説的な名伯楽として知られるニック・ボロテリーとコラボレーション。「PIVOT」のコーチングシステムに、ニックのノウハウを取り込んだ。さらに、生体力学の専門家、スポーツ科学のコーチなどの知見も吸収し、高度なバイオメカニクス解析アルゴリズムを導入。
 このアルゴリズムによって、ユーザーのフォームを分析し、慢性的な負傷の原因となるような不適切なプレーに関しては、アラートを発する。そして、どのように修正すべきかまで提示する仕組みになっているのだ。

 全てのデータは無線によってユーザーの端末に届くほか、同時にクラウド上にもリアルタイムで保管されるため、遠隔でコーチングを受けることも可能になる。
 TuringSense社は、これらの機能によってスキルのレベルに関係なく、ユーザーは自分のスイングを改善できるとしている。

 同社は「PIVOT」の開発資金として既に中国の企業2社とアメリカの企業2社から300万ドルを調達。さらにクラウドファンディングサイト「インディーゴーゴー」で7万5000ドルの資金を募っているが、目標金額にはすぐに到達し、今もまだ伸び続けている。
 テニスの世界ではこれまでにない、全く新しい機能を持つ機器だけに、熱心なテニスプレーヤーにとっては注目の的なのだろう。世界のテニス人口は1億1000万人と推定されており、市場は大きい。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9ヶ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取 材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。


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