来春の開幕に向けて注目度が高まる「メジャーリーグラグビー」、7人制ラグビーの金メダリストや元NFL選手も加入
2018年01月04日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
2016年4月、アメリカでスタートした15人制の「プロラグビーリーグ」は、2017年1月、わずか1シーンで幕を閉じた。運営側がアメリカラグビー協会やカナダラグビー協会と対立し、選手の給料の不払いも発生。協会や選手はもとより、ごたごた続きでメディア、ファンの支持も得られなかったことが原因とされている。
しかし2018年4月、アメリカで新たなプロラグビーリーグ「メジャーリーグラグビー」(MLR)が開幕する。プロラグビーリーグは5チームで開幕したが、MLRは7チームが参加。それぞれの拠点は、オースティン、グレンデール(コロラド州)、ヒューストン、ニューオリンズ、サンディエゴ、シアトル、ソルトレークシティにある。レギュラーシーズンは4月21日から10週間で、その後に2週間のプレーオフが行われるスケジュールだ。
この新リーグは今のところ、順調に準備が進んでいるようだ。リオデジャネイロ五輪で新たに採用された7人制ラグビーで金メダルに輝いたフィジー代表のキャプテン、オセア・コリニサ、プロラグビーリーグでMVPを獲得したセバスチャン・カリム、NFLでもプレーしたニュージーランド出身のポール・ラサイクなど、アメリカとカナダを中心に有力選手が続々と加入を表明している。
ビジネス面でも追い風が吹いている。MLRは2017年11月にCBSスポーツと全国テレビ放送の独占契約を締結。オーストラリアのスポーツアパレル&シューズメーカー、XBladesとは、オフィシャルフィールドアパレルパートナー契約を結んだ。この契約により、XBladesはMLRの全7チームにユニフォームを提供することになる。
MLRの注目度の高さは、早くもニューヨーク、ダラス、カナダのオンタリオで2019年春から始まるシーズンの参入に向けた動きが始まっていることからも伺える。MLRでは各チーム5人の海外選手を契約することが可能で、今後、順調にリーグが拡大すれば日本人選手に声がかかる可能性もあるだろう。
「プロラグビーリーグ」の失敗と教訓を活かして、プロリーグを活性化できるのか。MLRの今後に注目だ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK! 「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N
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