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ナポリFWミリクとTinderで交流? デートアプリとサッカークラブのユニークな応援企画

2017年07月12日 コラム Written by SPODIGI

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 SJNでは、スポーツにスポンサードする企業を、チーム、コンペティションごとにまとめたウェブサイト「スポーツ×スポンサー辞典」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 今回は、イタリア・セリエAの古豪ナポリと、オンラインデートアプリ「Tinder」によるスポンサーシップのアクティベーション事例をご紹介します。

 Tinderは、次から次へと流れてくる異性の写真を見て、「好みなら右にスワイプ」、「好みじゃなければ左にスワイプ」で判断し、マッチングするとメッセージができるという世界中で流行しているオンラインデートアプリです。

 そんなTinderとナポリは、長期のけがから復帰するポーランド代表のFWアレク・ミリクがもう一度ゴールを決められるようにと、ファンとミリクが交流できるユニークな応援企画を仕掛けました。

(出典:スポーツ×スポンサー辞典『ナポリFWミリクとTinderで交流?デートアプリとサッカークラブのユニークな応援企画』2017年6月28日)
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■Tinderでミリクと交流?
 2017年5月初旬、ナポリとTinderがパートナーシップを結んだことがアナウンスされました。ナポリは、Tinderとパートナーシップを結んだ最初のスポーツチームになります。

 この時同時に発表されたのが、長期のけがから復帰するポーランド代表FWアレク・ミリクが、Tinderを通してファンと交流し、ミリクがお気に入りに選んだメッセージを送った4人と実際に対面するという企画です。

  宣伝動画があるので、こちらをご覧ください。

 ミリク自身が、ファンに向けてこの企画に参加してほしいとメッセージを送っています。

 ミリク自身がTinderをしている動画もあります。

 そして、実際にTinderを通して、ミリクと会うことができたラッキーなファンがこちらです。男性2人、女性2人、計4人のファンと交流しました。
https://twitter.com/arekmilik9/status/867358340082532353

 ミリクはこう語っています。(引用元:http://www.sscnapoli.it/static/news/Tinder-Helps-Napoli-Fans-Welcome-Back-Arek-Milik--11723.aspx)

 "I'm really proud to be part of this unique and innovative initiative with Tinder, The fans here have always given me a warm welcome and it’s really amazing to be able to interact with them directly" said Arek Milik. "Technology brings people together, just like sports, and I look forward to starting this new adventure."
意訳:「Tinderとのユニークで革新的な取り組みに参加できて誇りに思うよ。ファンはいつだって温かく迎えてくれるし、直接対面できるなんて素晴らしいことだね。テクノロジーは、スポーツのように人と人をつないでくれる。新しい冒険を始めるのが楽しみだよ」

 長期のけがから復帰するミリクもこういった応援企画でファンと関われるのはうれしいでしょうし、ファンとしても応援するチームの選手と交流できます。選手にもファンにも楽しみを与えるユニークな応援企画です。

 今回はこのナポリとTinderによる応援企画の優れた点を考察しました。

■Tinderがもたらすファンと選手の交流(エンゲージメント)
 1点目の優れた点は、通常男女が出会うデートアプリであるTinderを、選手とファンが交流するプラットフォームとして活用し、選手とファンのエンゲージメントを高めている点です。

 SNSやファンレターなどで似たような企画が行われることはありますが、スポンサー企業の「サービス」そのものを活用した事例はこれまでに見たことがありませんでした。

 Tinderを筆頭に、世界ではデートアプリの利用者は年々増えています。日本でも、「Pairs(ペアーズ)」などのデートアプリの注目度が高まってきています。特に、モバイル端末を使い慣れた若い世代に人気のデートアプリと、サッカークラブのコラボは非常にキャッチーです。

 既存ビシネスではない新興ビジネスとパートナーシップを組み、その「サービス」を効果的に活用してファンと選手のエンゲージメントを高めています。既存の枠にとらわれない、優れたスポンサーシップのアクティベーションです。

■デートアプリ「Tinder」を試す自然なきっかけとなる
 2点目の優れた点は、今回の応援企画を通して、消費者がデートアプリを使用するハードルを下げ、実際に試すきっかけを自然な形でつくり出している点です。

 流行しているとはいえ、「デートアプリってなんか怖い」、「オンラインからスタートする男女の交流はなんか嫌だ」といったマイナスなイメージも確かにあり、億劫(おっくう)に感じている人も多くいると思います。

 そんなデートアプリを通して選手と交流する機会を提供するこの応援企画は、ファンがデートアプリを試してみる「きっかけ」となります。自分の好きなクラブが主催であることから、ファンはあまり億劫になることなく参加することができます。既存ユーザーも、企画自体がキャッチーなので「面白そう!」と思って参加する人もいるでしょう。

 このように、応援企画を通してナポリのファンに「Tinderを使うきっかけ」を与えることで、Tinderをダウンロードする人を増やすことができます。選手応援企画ということもあり、Tinderにポジティブなイメージを持ち、それからアクティブユーザーになってくれる人が増えるかもしれません。

 いずれにせよTinderの立場からすると、「自社のアプリを試してもらうきっかけとなるプロモーション」となっており、パートナーシップを効果的に活用した優れた事例といえます。

■日本では?
 日本におけるデートアプリに対する一般的なイメージは、外国と比べるとマイナスなイメージの方が浸透している印象を受けます。ですので、Jリーグのクラブなどがデートアプリとのコラボを実現するのはなかなか難しいかもしれません。

 しかし、今回のナポリとTinderの事例のように、実際のところスポーツチームは自然な方法でデートアプリを試すきっかけを与えることができます。近年は「街コン」や「婚活」などもはやっており、そういった「出会い」を生むビジネスなどとスポーツが絡むことで、地域活性など新たな価値を創造できるかもしれません。

 今回はデートアプリの事例をご紹介しましたが、新興ビジネスがスポーツと組むことでできることは多くあるかと思います。今後もナポリとTinderのような事例が日本でも生まれていってほしいと思います。


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【了】

記事提供:スポーツ×スポンサー辞典

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