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hummel(ヒュンメル)の「真っ白ユニフォーム」から考えるサプライヤーとチームの理想像とは?

2017年04月05日 コラム Written by SPODIGI

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 SJNでは、スポーツにスポンサードする企業を、チーム、コンペティションごとにまとめたウェブサイト「スポーツ×スポンサー辞典」のご協力を得て、記事提供を頂いております。

 今回は、サッカー・デンマーク代表のユニフォームサプライヤーを務める「hummel(ヒュンメル)」によるスポンサーシップのアクティベーションをご紹介します。

 hummel(ヒュンメル)は、近年成績の振るわないデンマーク代表のために、シンプルかつ画期的なユニフォームを制作しチームを奮い立たせるとともに、結果として、少額の広告費で約1億人にリーチさせることに成功しました。

(出典:スポーツ×スポンサー辞典『hummel(ヒュンメル)の「真っ白ユニフォーム」から考えるサプライヤーとチームの理想像とは?』2017年3月30日)


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「不動産×スポーツ」シンプルかつ巧みな年間シート販売戦略(スウェーデン事例)<2017年3月10日>


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■全身ホワイトのユニフォーム
 hummel(ヒュンメル)とデンマーク代表はタッグを組み、昨年9月に行われた親善試合リヒテンシュタイン戦で、全身ホワイトのユニフォームを着用してプレーしました。

 デンマーク代表のユニフォームは、国旗になぞらえた赤と白のユニフォームが有名ですが、そのイメージを覆す真っ白なユニフォームです。

 今回の、全身ホワイトのユニフォームの制作に関してまとめたビデオがあるので、こちらをご覧ください。

 このビデオの最後の方でも触れていますが、広告費わずか1万780ユーロ(約130万円)だったにも関わらず、380倍となる411万3319ユーロ(約4億9500万円)の価値に値するメディア露出価値を生み出しました。

 結果として、1試合だけの着用でしたがSNSやインターネット、テレビで大きく拡散し、合計約1億人にリーチさせることに成功しました。

 今回のhummel(ヒュンメル)とデンマーク代表が行ったこのPR、優れた点が2つあると考察しました。

1. ストーリー性
 このPRは、非常に明確なストーリーが打ち出されている点が優れています。

 近年停滞しているデンマーク代表を立て直すために、一からの新しいスタートという意味での「白」。クリーンシートの意味での「白」。デンマーク代表の現状とうまく重ねたストーリーのもとに行われています。

 動画の中にも出てきましたが、デンマーク代表は、2014年FIFAワールドカップ、UEFA EURO 2016、ともに予選で敗退しています。また、スタジアム来場者数、テレビ視聴率も減少傾向にありました。

 そこで今回のPRが実施されたわけですが、成績が振るわず、観客数・視聴率ともに下がっているチーム立て直したいという思いと、白のユニフォームを作るのはストーリーが明確で伝わりやすいです。

  hummel(ヒュンメル)はユニフォームサプライヤーとして、ただユニフォームを製造するだけでなく、チームの現状を改善したいというメッセージを込めました。そうしたストーリー性が人々の心に刺さり、約1億人へのリーチ、約4億9500万円のメディア露出価値を生み出すことを可能にしたのだと考察します。

2. スタジアムにいる観客を巻き込む
 今回のPRは、親善試合リヒテンシュタイン戦で行われましたが、ただ選手が真っ白のユニフォームを着るだけでなく、スタジアムの観客も巻き込んでいる点が優れています。

 動画を見るとキックオフ前の時間を活用し、観客がスタジアムを白一色に染め上げています。

 この会場を色付ける仕掛けは「コレオグラフィー」という名で、よくチャンピオンズリーグの重要な試合などの際に行われ、サッカーシーンではおなじみの光景です。

 このコレオグラフィーを行うことで、PRとしての見栄えが良くなるだけでなく、観客との一体感やつながり、つまりはエンゲージメントを高めることができます。コレオへの参加を通して、観客にこのPRを「体験」として記憶させることができます。

 ただ真っ白のユニフォームを着ただけでは、多くの人に気付いてもらえないかもしれません。しかし、スタジアムの観客を巻き込み、より拡散する仕掛けを施している点が優れていると考察します。

■サプライヤーとチームのあるべき姿
 今回のhummel(ヒュンメル)とデンマーク代表のプロモーションは、明確なストーリーと観客も巧みに巻き込む、優れたスポンサーシップのアクティベーションです。

 ユニフォームサプライヤーとチームは、すでにつながりが明確ではありますが、チームの現状を鑑みて打つ施策はこれまであまり見る機会がありませんでした。サプライヤーがチームを支えているという構図が明確であり、サプライヤーとチームの理想的な関係性を示してくれたと思います。

 サプライヤーの切り替えなどが話題になりがちですが、既存のサプライヤーとチームの関係性をいま一度考えるきっかけとなるようなPRだったのではないでしょうか。こうした事例が日本でも増えていくことに期待したいです。


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【了】

記事提供:スポーツ×スポンサー辞典

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