盛り上がりを見せるオーストラリアのプロクリケットリーグ「BBL」 1試合平均100万人を超える視聴者数を獲得!
2017年02月02日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
プロクリケットリーグといえば、インドのプレミアリーグが国民的な人気を博しているが、オーストラリアの「ビッグバッシュリーグ(BBL)」も盛り上がっている。
2005年に始まった前身の「トゥエンティ20・ビッグバッシュ」は6つの州に拠点を置くチームで争われていたが、2011年にスタートしたBBLでは6つの都市にフランチャイズを置く8チームのリーグ戦に変更された(メルボルンとシドニーが各2チーム)。
BBLは12月と1月、夏のオーストラリアで開催され、32試合が行われる。6シーズン目となる今季(2016年12月~2017年1月開催)は、1試合平均の観客数が3万114人で、今季最高の観客数は1月1日に行われたメルボルンダービーの7万1162人。32試合中20試合でチケットが完売した。
そして、驚くべきは視聴者数。過去3年間で22%増加し、今季は1試合平均102万1750人に上る。メルボルン・スターズとシドニー・シクサーズの試合は、シドニーだけで100万人の視聴者を獲得し、同時間帯の視聴率1位となった。さらに、オーストラリアの夏のテレビ視聴率で常にトップだったテニスの全豪オープンと日時がかぶった際に、視聴率で上回る試合も出てきている。
オーストラリアのメディアによると、BBLはこの追い風に乗って、来季の試合数を8試合増やす計画を立てているそうだ。さらに開幕戦を香港で行う計画もあるという。
この人気によって、3年前に年間2000万オーストラリアドルだったBBLの放映権料は、新しい契約となる2019年以降、年間5000万~6000万オーストラリアドルに達すると予想されている。ちなみに、テニスの全豪オープンの放映権料は、年間4000万ドルになっている。
BBLの人気は女子リーグにも波及。2015年に始動した「ウーマンズ・ビッグバッシュリーグ」も同じく8チームが所属しているが、今季は合計10万人以上がスタジアムに足を運び、メルボルンダービーでは過去最高の2万4000人を記録した。
インドに続いて、オーストラリアでもプロクリケットリーグの存在感が増しており、今後も、クリケットのマーケット拡大は続きそうだ。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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