[AiR]がアスリートの広告起用だけではなく、雇用を始めるワケは? ~企業とアスリートの関係 vol.2「東京西川」(後編)~
2017年01月07日 インタビュー アスリートマネジメント/セカンドキャリア Written by Sports Japan GATHER
SJNでは、アスリートとスポーツを愛する人でつくる新しいコミュニティーメディア「Sports Japan GATHER(ギャザー)」のご協力を得て、記事提供を頂いております。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ、そしてアスリートに注目が集まる今、企業とアスリートの関係にも変化が生まれています。双方にとってメリットのある関係を築くために、何が必要なのでしょうか?
特集「企業とアスリートの関係」では、選手やスポーツ事業を支えている企業人に話を聞いていきます。
第2回は、現在、選手を広告に起用している老舗寝具メーカーの「東京西川(西川産業)」が、『雇用』でスポーツとの新たな関わりをスタートさせます。その理由を、人事総務部部長の荒川泰典氏と営業統括本部営業企画室チーフリーダーの須藤健二朗氏に聞きました。
前編はこちら⇒https://sjn.link/news/detail/type/report/id/120
(出典:Sports Japan GATHER「企業とアスリートの関係-Vol.2-「東京西川」(後編)」2016年12月20日)
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(後編は『元アスリートを雇用する理由』について、人事総務部部長の荒川泰典氏に話を聞いた)
■“アスリートならでは”の興味や知識・経験が役に立つ仕事
従来の寝具のイメージを覆す、東京西川のマットレス[AiR]。この開発と販売の成功をきっかけにアスリートとの関係を築き始めた東京西川が、新たに取り組みを始めるのが、アスリートのセカンドキャリアとしての雇用だ。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで、アスリートへの注目は日々、増している。しかし、それと同時にスポーツ界全体の大きな課題となっているのが、セカンドキャリア。
五輪のメダリストといえど、競技を引退した後というのは決して、華々しいものばかりではない。監督やコーチなど、スポーツに関わる仕事を希望する人が多いが、現実にはそれまでのキャリアを生かして、希望の職に就ける人は一握りだ。
「[AiR]をきっかけにスポーツの業界・団体との関係性が増え、さまざまな話を聞く中で、私たちもアスリートの引退後について考える機会が多くなりました。『何かスポーツ界に力に慣れることはないのか』。それで本格的に雇用を検討し始めました」
こう説明するのは、人事総務部部長の荒川泰典氏。このプロジェクトは2016年の始めから検討が始まった。同社が元アスリートを前面に押し出して採用するのは、初めてのこと。寝具メーカーが、競技に打ち込んできたアスリートの能力を本当に生かせるのかという声もあったが、荒川氏はアスリートだからこそ、顧客に伝えられることがあるという。
「質の高い睡眠を取ることは、明日の活力につながります。寝具という“モノ”を販売するのではなく、健やかな暮らしを導くための“コト”を伝えていくためのスタッフを探しています。その中で今まで選手として、運動・栄養・休息の3大要素を考え活躍していた選手がスタッフとして接客することで、より説得力を持って、眠りの重要性や、商品の魅力を伝えることができ、また寝具以外での身体のメンテナンス方法なども話していただくことが可能かと思っております」
いうまでもなく、アスリートは自分の体や筋肉、眠りが体に及ぼす影響を考える機会は一般の人に比べて多い。そうした知識や経験が、寝具の販売に向いていると考えている。
■アスリートの経験を生かして、今度はサポートする側に
(「アスリートは多くの人に支えられてきたと思います。今度は睡眠を通じて、周りの人をサポートする役になってほしい」と話す荒川氏)
現時点で、元アスリートのセカンドキャリアとして準備されているポジションは、快眠アドバイザーとしての販売の仕事。同社では百貨店をはじめ、全国に販売店があるため、その店頭に立って眠りの重要性と商品の魅力を伝えることになる。
また、元アスリートといっても実業団やオリンピック出場など、さまざまなレベルがあるが、現在は特別な基準を設けているわけではなく、スポーツや身体など、ボディーコンディショニング全般に興味があることが大事だという。また今度は、朝から夕方まで販売スタッフとして働き、夜に練習したいという現役アスリートの受け入れも検討している。
もちろん、競技に打ち込んできたアスリートが、スポーツと関連性の低い業界・職種で働くことに対して、不安を抱く人も少なくないだろう。だが、荒川氏が説明するように、見方を変えれば極めてアスリート向きといえるのかもしれない。
「アスリートの方は、現役時代、コーチや裏方のスタッフ、ひいては家族など、多くの人に支えられて競技を続けていたと思います。そうした経験を持つ人が販売スタッフになったとき、今度は睡眠を通じて、周りの方をサポートする役に回ってもらえるのではないかと期待しています」
同社のような販売スタッフの場合、非常に長期的な仕事として考えられるのも魅力。実際、販売スタッフには、20~40代はもちろん、50~60代でも活躍している人材が多いという。
老舗寝具メーカーによる元アスリートのセカンドキャリア。そこには、一つの商品をきっかけに生まれた、確かな必然性があった。
●東京西川 元アスリートの求人募集 詳細
([AiR]のほか、東京西川が展開する『&Free』など、全国の販売店で快眠アドバイザーとして活躍を期待している)
・応募:元アスリート(経歴問わず、ボディーコンディショニング全般に興味がある人)
・仕事内容:【快眠アドバイザー】眠りの重要性、商品の魅力を伝える販売スタッフ
・勤務地:千葉県、神奈川県、東京都、静岡県、愛知県、福岡県
・給与:月給180,000円~(短時間勤務は時給制、時間・日数は応相談)
・勤務時間:9時30分~21時30分(休憩1時間/実働8時間/シフト制)、週5日~
※勤務地・店舗により一部異なります。詳細については下記へお問い合わせください。
問い合わせ先:西川産業株式会社 人事総務部 人事課
電話番号:03-3249-6566
Mail:saiyo@nishikawasangyo.co.jp
▼東京西川のHPはこちら▼
http://www.nishikawasangyo.co.jp/
【了】
奥田高大●文 text by Takahiro Okuda
記事提供:Sport Japan GATHER
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<Sports Japan GATHER(ギャザー)とは?>
アスリートと、スポーツを愛する人でつくる、新しいコミュニティーメディア。
種目を超えたアスリートが集い、競技やトレーニング方法、オフの楽しみなどについて語り合い、記事や動画で、自らの思いを発信する。
環境やセカンドキャリアへの支援も、広く呼びかけている。
Sports Japan GATHERの特徴
①アスリートたちの“知りたいこと”にフォーカスしたスポーツメディア
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